変形性膝関節症のラジオ波治療

医療トピックス

変形性膝関節症の治療で23年6月に保険適用となったラジオ波を使った治療があります(クーリーフ®)。施術可能な施設が少ないこともあり、患者さんの話はまだ耳にしたことはありませんが。

ラジオ波というと以前は肝がんの患部を焼灼する治療法として知ってはいましたが初期の乳がんにも保険適用されているようです。

膝の痛みに対するこの治療は効果は74%が痛みが半減したと回答しているとのこと。効果は1~2年続くとのことですがこの処置は繰り返すこともできるようです。

従来、整形外科領域での膝の痛みに対する治療はざっくり云うと湿布、痛み止めの服用→ヒアルロン酸や痛み止めの注射→人工関節置換手術という3つでした。

この注射と関節の全置換術の間の長い期間を埋める手段が他に何もなかったとも言え、その辺りを鍼灸治療もカバーしているという認識でいますが、痛みを取り除く選択肢が増えるのは歓迎すべきことです。

この治療を簡単に説明すると機序としては強い痛みを感じている神経をラジオ波で部分的に焼くということで強い痛みを感じにくくするという方法です。

局所麻酔のうえ、エコーで対象となる知覚神経を特定し3か所の電極を刺して2分半の高周波を流してその神経を焼くということです。

乱暴と言えば乱暴かもしれませんが薬の痛み止めかラジオ波の痛み止めかと考えれば理解しやすいと思います。

それはそれでいいのです。

ここからは変形性膝関節症に関しての一般論になるのですが、個人的に何が残念であるかというと、初期段階では関節軟骨はそこそこ保たれている(写真で隙間がある)うえに二足歩行の宿命ともいうべきごく普通によくある症状のため本人も医療者側もそれほど真剣に受け止めないことです。

ましてや初発として多くの場合は働き盛りで忙しい時期に起こりがちで痛みも初期は水を抜いたり服薬でそこそこしのげてしまう為に、そこにしっかりと対応できない、しないという状況も多いと考えられます。

その繰り返しが後々末期の変形性膝関節症に進行してしまいます。といっても最終的には人工関節置換という選択肢が残されているのですが。

ではそこまで行かないためにはどうすればいいのでしょう。

結論を言うと「痛みを出すな」ということです。

痛みや違和感はそこの問題があることを教えてくれる有難い機能です。この優れた機能に慣れすぎて優先順位を下げたその先に後戻りできない疾患や発病があると考えています。

ですから歩く仕事、立ち仕事で痛いなら別な仕事に替わる、部署や持ち場を替えてもらう、痛みの出ないように仕事の仕方を工夫したりサポーターを巻く、体重が増えているなら適正な体重に落とす。

階段で痛いなら痛みが出ないよう階段を使わないようにする、もしくは手すりを使って痛みを出さないようにする等々、とにかく日常生活で痛みを我慢ではなくて出さない、感じないようにすることを可能な限り目指していただきたいと思います。

初期の痛み止めの服用やいわば中期以降のこのラジオ波治療もそうなのですが、姑息的治療つまり対症療法なのです。

もちろん対症療法でもいいのですが、本人がそれを理解していないのが後々の重い代償を伴うことになります。

私の師匠は「(痛み止めだけでは)先に楽しみがないでしょ」とよく患者さんに言っていました。

人生のその終盤に痛みを出さない生活をし、痛み止めを当たり前に服用する生活を回避するために自ら出来ることがあることの理解をお願いいたします。

鍼灸治療もぜひお試しください。

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