あえてウチに来る患者さん

仕事

僕の治療院はホームページがないので来院する患者さんは殆どが紹介で来る人なのですが、わざわざこのサイトを捜し出して来院するという珍しい人もいます。

ストレスフルな30歳代女性。症状を全て聞いた後に鍼灸治療の経験を尋ねると「あります」とのこと。引っ越しでもしてきたのかと思ったら地域の別の鍼灸院に行っていたけど「高いから」という理由でここを選択。

そんな理由初めて聞きました。実家が近くだそうで、内科の通院の時にウチの前を通って存在を知っていたのでこのサイトで確認して来院を決めましたと。

確かに駅前のビルでは家賃も高い(治療費+1000円)、ググってみるとこの街には鍼灸院が一軒しかないのかという位の必死なホームページとPR画像。殆ど唯一の集客ツールのようでそのSEO対策を含む広告費用(+1000円)、オーナーが別にいるので価格に織り込まれているであろう彼の取り分(+α)という感じでしょうか。

対してこっちは人の流れ、駅近など無視の住宅街、キャパが低いこともありホームページは作らず(作れず)、個人事業主のためナカ抜きもされずベッド1台、一人でこっそり22年です。

あとは患者さんが選ぶことです。バリュー(来る価値)が出せなければいくらであろうが淘汰されていくでしょうから。

もう一人は「二人目を産んでから頭が冷える」と訴えてきた30歳代女性。外出時はウールの帽子を手放せないが、そうもいかない室内などでも頭がスース―して困るとの事。

この人は隣町の江東区の人で、紹介でもなくネットで鍼灸院を探してわざわざ相当下位から当院を見つけて来てくれたというレアな人。

理由を聞くと鍼灸院のホームぺージは沢山あるのだが相手の必死感が見えすぎて「私、そういうのキライなんです」。

わかってらっしゃる。こういう裏読みできるマニアックな患者さんがいるので助かっています。

そんなマニアックな患者さんをピックアップしてくれた元のサイト「えどがわ産業ナビ」も有り難いです。これが無ければこの患者さんとはご縁がありませんでしたから。

口コミ100%に時代に修行し成長してきた僕としては、現在いくらレッドオーシャンになってしまったこの業界でも、そして二十年以上前からHPだウェブだと言われているのも重々承知していましたが、やはり一対一で手作業で患者さんに向き合って治療をしていくのに処理能力から考えてHPは必要とはいえませんでした。

しかし時代はスマホ検索です・・・。

そんなマニアックな彼女の期待に全力で答えるべくツムラの38(当帰四逆加呉茱萸生姜湯)を紹介し、医師に処方してもらって漢方の力も借りつつ寒の時期を乗り切ることが出来ました。

主訴の頭の冷え感は正直なところ力及ばず改善していません。しかし起床時にあった怠さがなくなった、脚のむくみが少なくなったなどあえて言っていなかったその他の細々な愁訴が改善しているとのことで、定期的に来院して肩凝り、月経痛、冷え性改善を目的とした治療をしています。

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