定期券健康法

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江戸川区から年間15枚発行される江戸川区三療券を真夏を除いてきっちりと割り振って計画的に予約をして来院する80歳代の男性がいます。

少し前に「老後100万円でいい問題」というのを書きましたが、これはこの患者さんをもとにして書いたものです。

家族はおらず、別に暮らす妹がいますが自宅は借地の一軒家のため更地にして返却する費用と葬式代は別にしてあるとのことでした。

様々な患者さんを見ていると仕事がら、健康な人はそれなりに気になるのです。

健康に年を取りたいのは当然ですが皆がそうとはいきません。もともとの体質、遺伝的素因であったり、生活習慣による負荷であったり、そもそも論で言えば加齢そのものが避けられない不健康の根源だからです。

しかしその中でも女性より短命の男性でもやはり見本にしたくなるような「健康だな」と感じさせられる患者さんが何人もいるのです。

その中には元経営者で金銭的に余裕があり旅行とゴルフの合間に体を手入れする為に来るというような患者さんもいるのですが、興味を感じるのはミニマル・ライフ(生活に必要なものだけを持ち無駄なものをそぎ落として暮らす)の患者さんのほうなのです。

お金があって豊かな生活が送ることができるのは当然と言えば当然で素晴らしいことなのですが、それが出来るのは言ってみれば準富裕層(不動産を除く資産5千万)以上であり、大多数はアッパーマス(3千万以上)以下のマス層(3千万未満)が八割というのが現実です(区分けは野村総研の定義より)。

しかしそれが駄目なのか不幸であるかというとそれは全く別の話で、この患者さんのようにそれなりに充実した毎日を淡々とそして粛々と過ごしていたりするのです。しかも世間が言うほどお金をかけずに。

しかもこれはこの患者さんだけではないとも感じています。もちろん皆さん自分の資産など大っぴらに言うはずもありませんが治療室での会話で大体の生活ぶりがわかるものです。

そしてそれは後期高齢者なりの、現役世代なりの、子育て世代なりのそれぞれの支出がある訳なのですがそれぞれにしっかりした生活基盤、家計管理を感じます。

定期的に鍼灸治療で身体の管理をする位ですから家計、資産に関してもズボラになる訳がないのです。

冒頭の患者さんで驚いたのは健康法です。正確に言うと、彼はそれが健康法だとすら思っていなかったのですが、私はあまりに画期的だったのでそれを○○(患者さんの苗字)式健康法と勝手に名付けて称賛しているのです。

どういうものかというと彼は二十数年前の58歳まで平井から新橋に通う会社員だったのですが早期退職した後も通勤定期を買い続けているのです。

そして散歩かたがた買い物、食事に隣駅の亀戸や錦糸町はもとより秋葉原、神田などに出かけているのです。

外出するとなると平井の島(平井・小松川は荒川と旧中川に挟まれた“島”なのです)の中だけで生活しているのと違い、それなりの身づくろいもするし駅の行き来を含めて出掛けて帰ってくるというそれだけでそれなりの距離を歩きます。

それが運動となり刺激となっているのです。

それを特に決めたわけではないのですがもう20年以上続けているのです。逆に言うと健康だからこそ続けていられるともいえるのですが。

定期券料金の10キロ以内に相当するのが有楽町までなので「平井~有楽町」間とのこと。

そのオフピーク定期代が半年で22910円、月額にすると3818円のサブスクのようなものです。

よく私がそこに通っていて関節などを痛めて治療に来る患者さんに勿体ないと言っている高齢女性専用(シャワーなし1回30分)の運動ジムが月額8千円程度、年間10万円!のサブスクなのですが、これに比べるとどれだけ価値があるか理解できると思います。

基本的に手軽なジム、格安なジムに契約している人で本当に健康的な人はいないのではないかと考えています。

健康的、健康な人はそのような中途半端なジムには通わない、つまり既に体操、ウォーキング、奉仕活動など日常生活の中に運動、活動が存在するかもしくは本格的な(着替える、汗をかくのでシャワールームがある)フィットネスクラブを利用しているのです。

今回の○○式健康法は日常生活の中に運動、活動が存在しているそして安価で価値のある健康への投資(本人はそうは思っていませんが)だと感銘を受けたので紹介しました。

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