美味しいものは体にいい

医療トピックス

以前、お酒を積極的に飲んでいた3年前までは治療中にストレスの話から解決法の話になったりするとお酒が飲める患者さんとは「最近は何を飲むんですか」というような話をしていました。

リラックスに関して、もしくは副交感神経の話になるとやはり癒しの「シュワッと」「プシュッと」はお酒の飲める患者さんにとってはかなり上位にランクされるアイテムなのです。

その患者さんは近所のコンビニを利用し、チューハイを購入しよく飲むのだそうです。ところがこのチューハイが人工甘味料(アセスルファムカリウム、スクラロースなど)で口当たりを良くしようとする商品が多く(あの不自然な後味が口に残る、正確に言うと不味いということです)それの入っていないチューハイを探すのが結構苦労しますという話になりました。

人間(動物)の味覚、感覚というのはよくできたもので、体にとって必要なものは美味しく感じますし、必要としてないもの、害となるものは感じ方も当然その逆になります。

普段は甘ったるくて飲む気がしないコーラも夏場で汗をかいたり運動したあとはスカッとさわやか、格別のおいしさがあります。喉が渇いた時の水分がおいしいのは当然ですが、全身の筋肉で糖質が消費されているので甘い飲料が炭酸の刺激とともにとてもおいしく感じるのです。

以前から、人工甘味料が腸内細菌に悪影響を与えているのではというマウス実験などのレポートが出されていました。甘いのにカロリーが無く、糖質を含んでおらず身体(ダイエット、糖尿病)に良いかと思いきや腸内細菌に悪影響を与えているようだと。

つまり、少なくとも糖尿病患者もしくは予備軍の人には、耐糖能(血糖値を正常に戻す力)異常への効果の方が断然優先されるのでいいでしょうと。

しかしながら健常者が糖分を摂取する代わりに安全だと安易に飛びついて常用、多用すると危険なのだということです。

胃酸の分泌を抑制するPPI(プロトンポンプ阻害薬)の長期使用でも腸内細菌叢への影響によって2型糖尿病発症との関連が指摘されていました。20万人10年間の前向きコホートで2年以内の服用で発症が5%上昇、2年以上で26%上昇、中止するとそれが有意に低下すると報告されています。(メディカルトリビューン)

薬の副作用にしても甘味料の副作用にしても健康を損なうと判っているものは当然避けるべきです。

結論としては頭で考えて身体にどうだからとか、テレビでこう言っていたからと考えて食べるよりも旬のもの、食べたいと思ったもの、飲みたいと思ったものを適量いただく、それがいちばん健康的なのではないでしょうか。

これにも前提としてそれが正しい体であればという条件がありますが。間違った体というと誤解されそうですが、正しくない生活、間違った生活習慣の人は食べる物にも偏りが出てきますし食べる量も(多くの場合は)適量を超えて過剰になりがちです。

自分の生活、生活習慣が正しいかどうかわからなければ普段の体調はどうなのか、これが何しろ基本です。それに加えて客観的なデータ、つまり体重、血圧ほか健診時の血液検査を基準にして考えてみるといいのではないでしょうか。

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