トラムセットを処方されている坐骨神経痛の患者さんが来院したのですが
流石にトラムセットでコントロールできない程の疼痛。
3回頑張って来院してもらい治療しましたが自費治療なだけに
患者さんの満足する結果を出すことが出来ずに来院しなくなってしまいました。
全く力になれず残念な思いでいたのですが、二ヵ月後にまた来院。
お薬手帳を見せてもらってびっくり。
トラムセット朝晩はそのままで。
追加でリリカが25mg。その後75mgになって(3回/日)。
さらに加えてセレコックス100mg。
150cm、40kg、70代前半の小さい女性。
いわく、「『今すぐ寝ろ』って言ったら寝れるわ」
(実際ほんの5分待っただけで待合で寝ていた)
しかも自転車で来院(歩行が辛い為)。「人にぶつかりそうになった」と。
入院患者ならあり得るかもしれませんが通院でこんなに盛っていいのだろうか・・。
頼られる医師の苦心も解りますが。
その後何とか水中ウォーキングを再開するまでになり
笑顔も見られるようになってひと安心。
従来からの便秘もセレコックスでさらに増悪して、
処方される便秘薬など全く効かずOTC(ドラッグストア)浣腸を箱買いしているとのこと。
でも少し思いました。トラムセットさんつないでくれてありがとう。
しかし近頃はトラマドール系(トラムセット、トラマール等)やサインバルタが強い腰痛を訴える患者さんに結構使われています。
そしてそういう患者さんには当然ながら長期にわたって処方されている傾向にあります。
確かに西洋医学的治療としてはそれしかないかもしれませんが震源地を放置して先に楽しみはあるのでしょうか。
(夏樹静子氏のような原因が心因性だったとすればなおのこと)
医療者側主体の服薬コンプライアンスから患者側主体の服薬アドヒアランスが提唱される最近の服薬意識の流れ。
医療従事者の方々には服薬期間を短縮するためにも、量を減らすためにもぜひ鍼灸治療の併用をご理解していただきたいところです。
参考 「腰痛放浪記 椅子がこわい」 夏樹静子 新潮社
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