好きなことを仕事にする

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鍼灸院のほかに経営していた整骨院のいくつかを閉院した同業者が、「この仕事が好きで入って来る人が少なくなったから」と嘆いていました。

求人を出しても売り手市場らしくまず聞かれるのは休日か給与、福利厚生の話だそうでしかもずっと被雇用でいたいという、つまり将来的に独立する気がない人が多いことに驚いていました。

そういう人材を無理に採って店舗経営で苦労する位なら、志が高く信頼できる少数精鋭でやっていった方がいいからと事業規模を縮小したということでした。「そういう奴に限ってブラックだと労基署に訴えるんですよ」と。

わざわざペイしない人材を雇って給料を払っているのにこっちが気を使ってメリット無いですよということなんだそうで。以前UPした【好きじゃないと続けられない】と同じような内容になってしまいましたが。

僕が免許を取った頃はそれこそ少しでも早く技術、知識、仕事の流れをつかんで自分の治療院を持とうという気持ちだけで時給など考えず必死でしたが。

お金がなかったので友人の両親に週一回鍼灸治療をするという条件で(友人はもう家を出ていましたが)居候させてもらっていました。食事は近所の大学の学食でした。

僕は柔整師もしくは鍼灸師を本気でやりたい人がいなくなったと云うよりも、ただ単純に一気に資格取得者が増えたため相対的に質が落ちた(個々人の能力差が大きくなった)のではないかという気がしています。

資格取得専門学校などは認可がユルくなって大量に専門学校が開設されたため、もともと国家試験の合格率も高かったこともあり鍼灸師、柔道整復師が大量に排出されるようになりました。

歯科医師業界も同様のレッドオーシャンで僕の患者さんの周りでも3人の歯科医師がいますが当然勤務歯科医で開業はしていません。平井では休日なし24時間営業の歯科まであります。

「広報えどがわ」では休日当番医とともに休日当番接骨院(=整骨院)という告知がありますが、今では過当競争の接骨院業界は休日当番どころか日曜祝日も自ら営業し、さらに店頭で呼び込みをして駅でチラシまで配っているそうです。

チラシを配ったり呼び込みをするのって医療と言えるのかという疑問もありますが、なりふり構っていられないのです。売り上げの7割からを税金でカバーされている整骨院業界ですらそこまでしなくては(雇われ柔整師は)淘汰されてやっていけなくなっているのです。

いわんや鍼灸業界をや。結局、どんな仕事でも純粋にその仕事そのものが好きでなければ、好きになれなければ継続してやっていけないのだと思います。逆に言えばその仕事が好きで楽しければ当然苦になりません。これに勝るモチベーションはありません。

自分の専門に熱中する、自分の仕事をきっちりやればいいのだと思います。相手のことを考えて自分の好きなことをやるということです。そのくらいでなければ、自分の財布からお金を払って真剣に結果を求めてくる患者さんにはすぐ見透かされるでしょうから。

差別化は自分のこだわりに立脚する以外にありません。こだわりの押し付けでいいのです。それを選択するのは消費者、患者さんです。

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