執着はしんどい 過活動膀胱編

坐骨神経痛で定期的に治療している女性(85歳)。夜間尿(一晩に4回)が気になりかかりつけの医院で抗コリン薬のイミダフェナシン(ステーブラ®)と抗利尿ホルモン誘導体のデスモプレシン(デスモプレシン点鼻液)を処方されていました。

薬も当初は効いていましたが少しずつ効果が低下してさらに薬の量も増え、結局約2年後、目いっぱいの量でも「効かなくなった」(一晩に5回)と、穏やかな方なのですがいきなり泌尿器系の薬の使用を止めてしまいました。

その日の夜のトイレが24回(几帳面な患者さんなので数えたそうです)。6時間睡眠として15分に1回の計算です。総尿量1400㏄(58㏄/回)。尿量もデータを集めるため計量カップを百円ショップで買って記録してもらっていました。さらに二日目10回、三日目9回で身体が持たずに薬再開・・・。

こんなになるまで鍼灸治療で効果を出せなかったのかといえば、治療した後は「2日続けて3回しか起きなかった」と喜ばれましたが逆に言うと、かなり微妙な効果が2,3日しか持続しないという事で手を焼いていました。

というわけで、薬再開でまた3~4回で安定していましたが二,三か月で再び回数が増えて別の総合病院泌尿器科で「新しい薬」、その切れ味も今一つでその3か月後に友人の紹介で別の病院へ行くも薬を変えただけで不変(5回)、しかも副作用が強く二日の服用でやめてしまいます。

その間も腰の痛みや心臓の不調や白内障の手術といろいろあり、半年後に低ナトリウム血症を指摘されたことで副作用の元と推測された泌尿器系の薬は一切やめることにしました。

結論から言うと、尿取りパッドで対応し夜間のトイレは1回という対応にたどり着き現在に至るという状態です。

覚醒していながらも少量でも寝ながら用を足してしまうのは嫌だったし、(いつでもしてしまいそうで)怖かったが慣れてしまうと少量なので大丈夫との事。夜中に一度トイレに起き、尿取りパッドも取り換えて一晩に2枚使用するということです。

大体4時間+2時間の睡眠でその一件から2年経過しますが、少なくとも鍼灸治療時には夜間尿についての訴えは全くありません。本人が(諦め感は漂いつつも)納得して受容できているというのが何よりです。午前中は症状(尿意切迫感)がないので鍼灸治療を含めて出かける用事はすべて午前中に済ませるそうです。

歳をとると色々面倒なことが出てきますが、それなりに(いい言葉です)何とかなるものです。その人それぞれにマッチした対応、落としどころを探して価値ある日々を過ごしていただきたいと思います。

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