糖尿病にはおかず食い

腰を治してもふくらはぎのツレ(こむら返り)が治らない
という時点で糖尿を疑った患者さん(68歳女性)がいました。

同居しているお母さんの介護をしていて買い物以外は1日中家にいる。
一昨年の健康診断では異常無し。高血圧症だが医者嫌い。かなり太めの体型です。

のどが渇くしトイレも近いと聞いてやっぱりだと。糖尿病の既往は無いとは聞いていましたが一昨年の話ですし。

早速、かかりつけ医に「こう言ってみて」と指導して血液検査をしてもらったらHbA1cが12.4%(正常値は6%以下)、CPK(=CK、筋肉系に何かあり)も高齢者なら高くても150以下ですが330と高値。

早速、スーグラ(SGLT2阻害薬)が処方されてましたが医師からも薬剤師(院内処方)からも説明なかったとのこと。
「糖尿病です」と「これでダメなら注射になるかも」って言われただけだと。一応説明されてるじゃないですかと。

SGLT2阻害薬は糖質制限食を学ぶ者にとってはここ10年の最大のヒット薬。
SU剤(スルホニルウレア薬)のように膵臓に頑張らせないで、尿糖で出してしまうという画期的な発想。

僕はツレによる下肢の痛みの修復と(勝手に)放置されている食事療法の指導を担当。
この患者さんは介護のストレスから食欲が爆発していたようでした。

白飯が好きなこの人はそういう意味でやり易いのです。後は本人次第ですから。
夜中に食べる新米の塩おにぎりが大好きだと・・・・。最悪です。
別の患者さんですが夜中にキッチンに降りてアンパンを食べているというツワモノもいました。怖すぎる。

また、こういう人はデータを取ってプロットする(グラフに記入する)のをやたら面倒がる傾向にあります。
体重すら目をそむけます。現実から目をそらしたいのです。気持ちはわかります。

それを施術中に説得です。
でも糖質制限食の判りやすさがここで活きます。
日本糖尿病学会の食品交換表でのカロリー制限ではとても面倒でできません。

SGLT2阻害薬のせいで糖分ダダ漏れですから体重は漸減していきます。
HbA1cはというと12.4→10.7→10.1→9.3→8.5と半年で毎回減っています。

CPKも同様に132まで低下し、ツレもなくなりました。
これは単に薬のせいだけかもしれませんが、僕は患者さんの努力を高く評価しています。

ご飯、パン、麺類をできるだけ食べない。(元々甘い物は好まない人です)
薬が要らなくなるまではまだまだだと思いますが、人には分かりにくい、この地味な努力が大きな成果につながることを陰ながら応援しています。

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