自転車乗りに最低限必要なこと

日常生活

80代半ばの男性。毎日の散歩が日課で荒川土手を風下方向に1時間歩いて、帰りはバスで戻るという面白い人。最初は季節の変わり目によく起こるというめまいで来院し、そのまま調子がいいので定期的に治療していました。

先日入室するなり、指に包帯やら眼の周りが内出血やらで驚きました。理由を聞くと9日前(週末)に荒川を散歩中に後ろからロードバイクがぶつかってきたとのこと。メガネが壊れ出血し、両上腕、両膝すべてに擦過傷及び内出血、左薬指の骨折。

私も出張治療時に南北の移動には荒川土手を多用しますが、その時は必ず中土手(荒川と中川の間、首都高中央環状線の下の側道)を使います。荒川の西側(平井~江東区側)の土手内側のいわゆる荒川サイクリングロードは使いません。

その理由は中土手は、ロードバイクなど自転車の他はほとんど誰もいないし道幅が広いので事故の可能性が格段に低いからです。雨の日は首都高の真下走行も可能なので雨よけにも使えます。

しかしながら週末などは荒川サイクリングロードをロードバイクの派手な連中がかなりのスピードで走っています。よく事故も起こるようで「自転車はすぐ止まれるスピードで」「自転車は徐行」「自転車事故多発地点」などという看板が立っていますがロードバイクはお構いなしです。あの環境で看板だけでは・・・。

法律上は歩道扱いの道を時速40km内外でしかも危険な集団走です(後続は空気抵抗を避けるためすぐ後ろについて走ります)。事故が起こらない方が不思議なくらいです。

埼玉から来ていたグループらしく仲間が自転車の賠償保険を確認したら入っていないとのこと。お巡りさんも来ましたが道路じゃないからか「物損だから・・・」と言ってるうちに救急車が出てしまったと。

結局、相手の連絡先もなく(警察に問い合わせればわかるのかもしれませんが)メガネ代と通院費が自腹で文字どおり骨折り損です。もちろんその後の謝罪もなし。

それを聞いて、大事に至らなくてよかったですね(後遺症はまだわかりませんがとりあえず)とホッとしたのと
同時に無責任な自転車の乗り手への怒りと、自転車にかかわる法整備の必要性を感じました。

最近やっと自転車の賠償保険が多額の支払い命令があったこともあり普及してきましたが、20km以下想定の歩道扱いの道で、スピードの出るロードバイクに乗って自分はヘルメット着用しといて無保険って・・・。本末転倒です。電動の変速機よりまず保険、カーボンフレームよりまず保険だろうと。

防犯登録が強制になったように東京都も2020年4月から自転車保険の加入が義務化されました。ロードバイクの基本、自転車乗りの最低条件とはまず賠償保険に入ることだと思います。防犯登録よりも優先でしょう。

事故から3週間後には今度は三叉神経に帯状疱疹を発症し再び鍼灸治療はキャンセル。
間違いなく事故の後遺症といっていいと思います。

(埼玉県は2018年4月、神奈川県は2019年10月に加入義務化済みです)

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