結婚は簡単、大変なのは続ける事

仕事

最初に来院した時にはいろいろありましたが、現在は落ち着いていて二か月に一回程度の定期点検のような微調整のような治療をしている30歳代男性。

週二の在宅ワークの副産物として家族が寝てからの家飲みが意外に心地よくて、飲み過ぎているつもりではないのに次の日の朝少しお酒が残っているとのこと。しかもいろいろなものを肴にするために活動量との兼ね合いで体重も増加してきました。

「20代ではそんなに残らなかったんですが弱くなったんですかね」と。

それを聞いて「いや若かった20代までの方が飲み過ぎて残ってましたよ。朝、もう酒やめたってよく思うんですけど、でも夕方5時過ぎるとやっぱり飲みに行っちゃうんですよね」と私が答えました。

するとその患者さんは「ありますねぇ、あの朝の自己嫌悪感ハンパなかったです」「朝起きてあー何であんな女に振り回されて付き合っているんだろう、もう会わないぞと思うんですけど夕方になると会いたくなって会っちゃうんですよね」

「あの朝の起きがけのシャワーを浴びている時の冷静な思考とその日の夕方から夜のギャップって何だったんでしょうね」と彼。

「いや、それは20代だからいいでしょう」と。しかしそんな昔の事を治療中に引っ張り出すなよと。今の奥さんとは別の女性だそうで。「そこが20代の若さであり良さであり弱さであるのかもしれませんねぇ・・・」と答えてこの話は終わりました。

身体の代謝と同様、考え方も20代、30代、40代と少しずつ本人が気付く気付かないにかかわらず微妙に変化しています。

そう考えると皆、20代30代で結婚してよくやっているものです。村上春樹もかなり昔に、あきらめとかなりの脱力の混じったエッセイを書いていて「そんなものか」と思ったものです。イチローも結婚は「ギャンブルだ」とYouTubeで言っていました。

最近の人口動態統計によると、日本では年間約60万組が結婚し約20万組が離婚しているという現状です。

これで「3組に1組が離婚している」という人がいますがそれは間違っていて、存在する全ての夫婦のうちで速攻の成田離婚から今更の熟年離婚まで全部合わせて年間20万組が離婚しているという話です。

実際統計から計算すると一生で一度でも離婚する人の割合は2割弱ということになります。

「何をするにも億劫で」という熟年者が多い中で、何よりエネルギーを使う“別れるエネルギー”があるということはそのエネルギーも残っていない、というか一緒にいる理由も特にないが別れる理由も同様にないという人から見れば、まだその先の人生を見据えるエネルギーが残っているだけマシと言えるのかもしれません。

歳をとってから別れようとするのは圧倒的に女性の方が多いようです。このことからも歳をとってからもエネルギーが残っているのは女性の方だというのがわかります。

参考:「しょぼい結婚のススメ」 えらいてんちょう著 KKベストセラーズ

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