ストレスはあった方がいい

日常生活

東洋医学に携わるこの仕事をしている立場から言うと、すべての体の不調はストレスが原因であるということができます。

ストレスというとイコール精神的ストレスと考えがちですがそれは東洋医学でいうと精神活動によるストレス(内因)のことで、怒 喜 慮 悲 恐 などの感情が過ぎると臓腑の機能を傷つけ疾病の発症原因となるとされています。

しかしストレスというくくりでは外因と呼ばれるものの影響も大きく風 暑 湿 燥 寒など自然の気象変化が体の適応能力を超えると疾病の原因になることもよく理解できると思います。

厳密には内因と外因のセットで病気の発生の原因(病因)となることが多いのではないでしょうか。

仕事量が多くてイライラしている時にちょっと汗をかいた後に冷えて・・・とか、人間関係で辛い時によく眠れず湿気が多い季節で・・・とかそういった感じで症状が出てきます。

このように日常生活では様々な要素が入り組んで日々の体調に影響を与えています。

そう考えるとできるだけストレスは無い方が体にはいいのではないかと思うのが普通なのですがしかし実際はそう単純ではありません。

わかりやすく言うとストレスそのものが悪い訳ではなくストレスの種類、大きさやその対処方法が重要であるということです。

ストレスのない生活が理想かというとそうではなく刺激も緊張も無いということはそれに反応するホルモンのドーパミンも分泌されなくなり、目標達成や困難を克服する経験がなくなり日々の達成感や充実感を得ることが難しくなります。

常に気楽、快適で刺激のない状況は停滞感や退屈感が生まれるのです。

意欲、快感の幸せホルモンのドーパミンと相関し、拮抗もする赤ちゃんやペットと触れ合う時に分泌されるような幸せホルモンのオキシトシンですが、緊張に対して弛緩、興奮している状態に対して深いリラックスのようにセットで分泌されることで平衡が保たれるのです。 

ストレスは万病のもとではなく身体を動かしてくれる刺激であり、そのストレス(刺激)がなければ積極的に動くこともなくなってしまいます。

ストレスが人体のエネルギーを呼び起こし、日々身体が維持され健康が保たれ強化もされているとも言えるのです。

ストレスの多い人がエネルギッシュである理由はストレスによってホルモンが活性化することでエネルギー生成が促進され、より多くのエネルギーを効率的に使用できる、ストレスを感じる状況でこそパワーを発揮して行動することができるからなのです。

やっと定年退職にこぎつけた人がこれからはストレス無く自由にやるぞとリタイア生活に入った途端にいきなり老け込んでしまうのは適度なストレスがモチベーションを生み出していたからに他なりません。

楽すぎる状態というのは実は健康には今一つなのです。何故ならノーストレスは単純に体にとっては楽だから。

そこから2割増しの負荷、仕事でも趣味でもボランティアでもちょっとだけキツめの何かをやる、無理めの負荷、日課を心がけることが結局のところいい刺激になるのです。

それが好きな事とまでも言えなくても嫌じゃない、苦にならないことなら適度なストレスで身体にはベストな刺激なのです。

参照:『なぜストレスフルな人がいつまでも若いのか』 伊藤裕著 Gakken

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