爪白癬は塗り薬で治す

山歩きが好きで知らず知らずに足関節ねんざを繰り返してきた女性。
70歳を過ぎて足関節の痛みが出現、月2回の鍼灸治療をして掃除の仕事を78歳まで続け現在83歳。

治療中、自ずと爪(母趾)の白癬に目が行きます。
外反母趾もあります。

肥厚してボロボロしているのでどう処理しているのかと聞くと自分じゃ切れないので爪切り屋さんで切ってもらっていると。
月一回で毎回2500円とのこと。

それはもったいないし今後、爪甲肥厚による疼痛で靴を履くのも苦痛になるかもしれません。

処方薬とOTC(ドラッグストアで買える薬)で全然キレ味が違うなと思うのが抗真菌の外用薬です(価格が使用量を左右するのかもしれませんが)。

そこで、クレナフィン(一般名エフィナコナゾール)をもらうため皮膚科に行くよう提案。
以前は飲み薬の抗真菌剤しかなくてためらう人が多かったのですが、これは爪に毎晩塗るだけでOK。

経口抗真菌薬イトリゾール(一般名イトラコナゾール)は薬物相互作用が多いため医師も塗り薬を主に処方する傾向にあります。

高齢者ならなおさらです。3年ほど前にネイリン(一般名ホスラブコナゾール)が承認されており、塗り薬で効果が得られない場合はラシミール(一般名テルビナフィン)の次に処方の多い経口の抗真菌薬になっているようです。

以前から患者さんの足を見る度、趾間型の水虫は少なくなったが皮膚病変がない爪白癬が多いのではという印象を持っていましたが、介護老人保健施設入所者での金沢医大の調査でも爪白癬単独例が多かったと報告していました。

高齢者の中には爪白癬を全然気にしない人も多いです。
また、鱗屑のある乾燥型の足白癬もそこそこ見受けます。
もちろん確定診断は皮膚科医の微生物学的検査判断(顕微鏡)ですが。

薬は日に日に進化し続けるので凄いです。
分子標的薬も凄いがこういう薬も地味に凄いと思います。

まだ処方された患者さんには遭遇していませんが2016年にも塗り薬の爪白癬治療薬が承認されています。
ルコナック(薬剤名ルリコナゾール)という薬です。

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