シナモンすごいぜ!

日常生活

漢方薬によく使われる桂皮ですがニッキとしてのど飴にも使われているとおり、咽喉の炎症を抑え風邪や気管支炎など呼吸器に良いとされ、八味地黄丸、桂枝湯、葛根湯をはじめ、インフルエンザウィルス抑制効果も高い麻黄湯、鼻炎、咳嗽に使われる小青竜湯などにも含まれています。

漢方が証に合っているのかどうか、つまりその薬が現在の自分の身体の状態に合っているのかどうかを見極めるのは舌を見たり脉を診たり寒熱や虚実の判断など面倒なのですが、医食同源という考え方の根本に立ち返るとある簡便な方法に気づきます。

それは味です。美味いか不味いか。患者さんの中にわざわざ葛根湯をお湯で戻して飲むというツワモノの大学生がいます。本来漢方薬は煎じて飲むのですがそれだと手間もかかり、何しろかなり苦いので通常は服用しやすいようにフリーズドライの顆粒エキス剤となっています。

インスタントコーヒーの様になっていますが味わうのが目的ではないのでそのまま流し込んでくださいという訳です。しかし彼はお湯を注ぐと美味しいというのです。七種類(葛根、麻黄、桂皮、生姜、大棗、甘草、芍薬)の漢方薬のまさにゴールドブレンドです。これこそ身体(証)に合うということではないでしょうか。

御主人の為に飲ませようといつも桂皮を煮出していた奥さんがその蒸気をたまたまいつも嗅いでいただけで(耳鼻科のネブライザーやスチーム吸入器のような効果)、いつもひいていた風邪をひかなくなったという話を來村昌紀先生(千葉中央メディカルセンター脳神経外科)の講演でうかがいましたが当院の患者さんにも似たような話があります。

ストレスで背中から腰に張りが出てくると来院する30代後半の女性。いつも行くパン屋さんで玄米パンを買うついでに食パンの耳を無料で貰ってきては油で揚げてシナモンシュガーをかけて子供のおやつを作っていたのですが、そのパン屋が突然休業してしまいました。

困ったのは、ずっと作れるだろうと思って揚げパンの耳用にスパイスショップでシナモンパウダーを1kgも買ってしまっていたからです。シナモンパウダーで1キロ。かなりの量です(価格は送料込みで2千円強ですが)。

嫌いではなかった(これがキーです)ので、オリゴ糖を混ぜて地道にクロワッサンやロールパンに付けてせっせと食べていたらハマってしまったそうです。ほとんど毎日食べているのに時々シナモンの香りが無性に恋しくなるのだそうです。これもまた桂皮が証(≒身体)に合っていたということではないでしょうか。

それからランチで食べるシナモンとクロワッサンが楽しみになってせっせとシナモンが消費され1年経過で残り半分ほどになったそうです。約300日で500g。1日1.6g。スーパーの調味料コーナーで売っている小さな瓶が約12g入りですから一週間で一瓶使った計算です。

そしてこの一年間ほとんど風邪をひかなかったそうです。一度だけひきましたが副鼻腔炎にもならずにすぐ経過したとの事。

以前は3ヶ月と間をあけずすぐひいていたということで、寒いなと思ったらもう次の日に喉が痛くなる、その次の日に鼻水が出るという抵抗力低下時にありがちな風邪のひき方だった人がです。本人も因果関係は判らないけれどと。

本人にとっては結果がよければ何だっていいのです。美味しいものは身体にいい。医食同源です。

参考 日経メディカル 日本感染症学会2012(2012.5.11)

コメント

タイトルとURLをコピーしました