21年前の開業時に営業的には全く効果はありませんでしたが、新聞の折り込みチラシに東洋医学のススメとして「養生訓」のことを書きました。
今でも勿論、養生訓が書かれてから300年以上経た現在でも人間の身体は変わる訳でもなく、全く遜色ないどころか健康生活の基礎を網羅した内容です。
いつの世でも後から後から健康法やら食事法やらが出てきますが、結局「養生訓」に尽きるのではないかと思います。
健康長寿の人によくあることですが、貝原益軒も幼少時は病弱であり、それを克服しようと15歳の時に医者で儒学者の父親の蔵書を読破し健康を手に入れるべく努力します。
39歳で22歳年下の東軒と結婚しますが、その東軒も病弱であったようで尚更学んだことを夫婦で実践しました。
その当時から体重管理もしていて28年間続けたそうです。元祖レコーディングダイエット(記録することつまり意識することがひいては食事療法となる)と言えるでしょう。
夫婦でお互いに指圧、按摩もしていたようです。
食事の味付けもあっさり薄味が身体に良いことに気づき励行していました。更年期の東軒には茯苓(浮腫、食欲不振、不眠に効果があります)など様々な漢方薬を処方していました。
62歳で46年連れ添った東軒が亡くなった八か月後に益軒も85歳で亡くなるまで歯も全部そろっていたようです。
「腹八分目」の提唱も現代でも通用する視点です。カロリー制限が老化を遅らせるのだということがサルを使った実験で明らかになっています。
つまり、サーチュイン遺伝子(長生き遺伝子)は飢餓状態で働くのです。
「酒は天からのご褒美だがほどほどに」というのも言わずもがなです。
結局、健康法というのは案外単純で解りやすいことなのだということを読み返す度に実感させてくれる良書です。
(参考 「養生訓」全現代語訳 貝原益軒著 伊藤友信訳 講談社学術文庫)
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