帝王切開≒会陰切開

仕事

30歳代女性。体調管理で定期的に治療していたのですが第二子が妊娠30週で来院した時に初めて骨盤位(逆子)だと告げられました。26週で来院した時も本人は判ってはいましたが「大丈夫だと思って」言わなかったとのこと。

30週の時点で初めて逆子対策のお灸をしましたが、本人は脚のつれ、頚肩の凝りを気にしていて逆子を気にしている様子もなく拍子抜けです。32週で来院した時にも「僕の成功例は一番遅くて33週ですよ」と告げたところ、本人は別に帝王切開でもいいのだと言います。

「お腹を切るのも下を切るのも同じようなものだから」ということでした。産科医のほうも骨盤位が20数週で判った時も「大丈夫でしょう」とほとんど気にしてなかった様子なので本人も気にならなかったようです。

医者の「大丈夫でしょう」は帝王切開も含めて「どうなっても赤ちゃんは大丈夫でしょう」という意味なのかもしれません。母子ともに健康であることが何よりも重要であり、その為には通常の分娩も帝王切開も大きな問題ではなかったのでしょう。

鍼灸師としては逆子の治療は産科領域において数少ないアピールポイントであり、産科医療全体においても独自性を持ったセールスポイントであるにもかかわらず・・。

ましてや帝王切開(結局13cmだったそうです)と会陰切開(通常約3㎝×2)では切る長さも違うし、前者は子宮、腹膜、筋膜、皮膚と縫わなくてはいけませんし、全然違うじゃないですかと言いたいところだったのですが。

産む痛みも、辛さも、喜びも何一つ実体験できない男としてはどちらも同じようなものと言われたら「ああそういうものですか・・・」と言うしかありません。確かに赤ちゃんが産まれてきてくれることに比較すればどちらも同じようなものなのかもしれません。

その後、退院早々「体じゅうがバキバキ」ということで治療をしましたが「後陣痛の方が辛かったです」と、一仕事終えた男前感が半端なく。やはり母は強しです。

データを見てみると骨盤位自体は37週で3%(国立成育医療センター)ですが帝王切開は診療所14%、病院25%とかなり多いことがわかります(厚労省医療施設調査の分娩件数より 2017年)。骨盤位以外にも、より安全な出産を選ぶことや出産の高年齢化の影響もあるのかもしれません。

ちなみに当院の逆子治療は1回2200円で頻度は週3回程度の治療をすすめています。頭の位置は大体わかるのですが、一応産婦人科の超音波検査で頭位になったら終了して結構です。

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