I have a dream #1

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「わたしには夢がある」これはマーチン・ルーサー・キングJrの1963年の有名な演説の一説です。この演説はステキな絵本『わたしには夢がある』 カディール・ネルソン絵 さくまゆみこ訳 光村教育出版 の巻末でも全文読めます。

ですが、今回は♪も~し~も~僕が~違う肌の色で君と出会う 君と僕が自由に愛し合えますように のチェッカーズの同名の曲の方です(藤井郁弥作詞)。

更年期に伴う自律神経の不調と婦人科の症状で治療をしているアラフィフ女性患者さんとの話です。

治療室ではもう10年以上仕事中はYouTubeでクラシックなどを静かに流しているのですが、その時は治療をしつつ、自分なりの小さな幸せを色々とつなげて日々を過ごすこと(コーピング)が大切ですよという話をしていて彼女が10代の時によく聴いていた音楽の話になりました。

チェッカーズが大好きだったというので、置鍼中にBGMとしてYouTubeで解散コンサートなどを再生していると背中や腰に鍼をしたまま「思い出して泣けてきた」と。

このようなことは治療中にどうなのかと思わないでもありませんが、これでリラックスできて身体や張り詰めた神経が一時的にでも緩めば、それはそれでいいのではないかと考えました。

似たような話で開業間もない頃、当時80歳代の常連の女性患者さんの為に大好きな懐メロをBGMで流していたら(当時はCDプレイヤー)なんだか様子が変です。しくしく泣いているので、驚きました。何かしてしまったかと思ったら「昔を思い出して」と。

娘時代、冬の間は雪深い新潟県の松代(調べたら現在は十日町市)から兄と東京に別々の住み込みの出稼ぎに来てお互い浅草橋と浅草で励ましあって頑張ったのをディックミネの『人生の並木道』♪泣くな妹よ妹よ泣くな 泣けば幼い二人して 故郷を捨てた甲斐がない…を聴いていてあの頃が甦ってきたからとのことでした。

昔を思い出す音楽を治療中に静かに流すことは、リラクゼーションや健康管理を目的として定期的に来院する患者さんには決して悪いとは思っていなかったので開業当時はそんなことをサービスとしてよくやっていました。

知り合いのカラオケ好きの訪問看護師さんも民謡好きの患者さんにソーラン節を謡ってあげたら喜んでくれて積極的に身体を起こしてくれるのよと言っていました。もちろんその時の掛け声は♪ハァ~どっこいしょ~どっこいしょ~です。

自由の利かない身体でもすぐれない体調でも、ほんの少しでも快適に過ごしてもらうために力になりたい、喜んでもらいたいと思って皆工夫してやっているのです。

♪昨日を変えることなど 誰にもできないはしないけれど 明日を変えることは誰にだってできるから 今日より素晴らしい明日を・・・当時は全く知りませんでしたがその後聴きなおしてみたらとてもいい曲でした。

最近読んだ本の「おわりに」にこの曲が取り上げられていました。財政学者から見てもいい曲(歌詞)なのですね。(『欲望の経済を終わらせる』 井手英策 インターナショナル新書)

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