あっという間に人は死ぬから その1

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患者さんとの会話あるあるの上位に「気が付いたら○○歳だった」「この間○○だと思っていたらもう1年経っちゃった」というのがあります。

それとは少し違いますが何もしていないうちに時間が過ぎていた、もしくは何かしなければならない事がありながらもなかなかそこに集中できずに気が散ってしまう。

定期試験の前日なのに部屋の模様替えをしたくなってしまう、いつもは全く思わないのにその時に限って掃除をしたくなるのは何故なのでしょうか。

個人的には短時間で頭のキャパを超えて詰め込む作業に集中力が持続せず、手っ取り早い楽な方に気が向きやすくなりよそ見をしてしまう感じなのかと思っていました。

それを解りやすく解説したのがこの本なのですが著者は心理的抵抗から逃げるための理由をこじつけ自分をだます、つまり優先順位を入れ替えるのだと説明します。

では何故そうするのかというと、人生の三つの理(ことわり)として「死」「孤独」「責任」を挙げこの三つを無意識に避けているのだというのです。

皆、必ず死ぬことは頭では当然理解はしているのですが、それはずっと先のこともしくは考えないでおこうと先送りしています。

そりゃ多くの若い人や健康な人にとっては現実的な話ではありませんし、そんなネガティブなことは…と死そのものを忌み嫌う風潮もあります。

ですが全員が猶予期間のわからない執行猶予付きの死刑判決を受けて生まれてくるというのは紛れもない事実なのです。

そして一遍上人が言ったようにそもそも孤独なのです。

「生せしもひとりなり 死するもひとりなり」そのあとには「されば人と共に住するもひとりなり そいはつべき人なき故なり」と続きます。

人や家族と住んでいてもひとり、結局人間は孤独であって添い果たすような仲はないのだというのです。

一遍上人の孤独については瀬戸内寂聴がよく書いたり話したりしていたのでそれで記憶に残っています。悩めるオバサン達に法話でよく語っていました。

この死と孤独というものをしっかり認識し目を背けず向き合うことで試験前日の掃除(=自己欺瞞)から脱出することができるのではないかということでしょう。

それがすなわち自分がこの今を生きているという感覚や自己コントロール感、自己肯定感というものにもつながっていくのだと思います。

どうでもいいことに時間を使うのではなくて大事なことに限られた自分の貴重な時間を使うという価値観の意識が自分の中に生まれてくるのではないでしょうか。

この本では時間術に関しての世界のトップ10が紹介されていますがそれは確かにこれを実践できれば今やるべきことに集中できるだろうという当然のものばかりです。

そのトップ3は「say no」やりたくないこと無理なことはノーと言うこと、「priority」物事に優先順位をつけること。

そしてトップ1は「time boxing」時間割を作り計画を立ててタスクをこなすこととなっています。

なお5番目には「device control」スマホなどを制限すること、9番目に「2 minutes rule」タスクを2分で終わらせる、10番目にも「social media control」ソーシャルメディアを制限することが入っています。

トップ2に挙げられている「プライオリティ」がこの三つの上位にある思考だと考えられるのですが、如何にスマホ等IT機器をコントロールするかが私たちの時間の浪費を防ぐために重要であるかを再認識させられます。

同時にそれを上手に使うことによって日々の貴重な時間を効果的に、効率的にそして何より後悔なく過ごしていくかが肝であることを再認識させてくれる本でした。

参照:『あっという間に人は死ぬから』 佐藤舞 KADOKAWA

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