一年近く前の話ですが、2022年歯科医師国家試験の合格率が61%(新卒に限って言えば77%、既卒35%)になったと報じられていました。既卒が合格率をずいぶん下げていることが解ります。
同様に薬剤師合格率は68%(新卒85%、既卒41%)。薬学部の定員も大幅に増え将来の薬剤師の剰余が懸念されているので質の担保という意味もあるのかもしれません。
医師国家試験の合格率は92%(新卒95%、既卒54%)でした。(m3.com他 2022.3.16)
鍼灸師に関していえば合格率は大体80%辺りですが、僕が免許を取った頃の倍の合格者が15年近く前をピークに排出されていましたがここ10年は少しずつ減ってきています。
それは少子化の影響もありますし、免許を取っても食べていけないでしょと資格取得を希望する人も減少してきたと考えています。
鍼灸師養成の専門学校は爆発的に増えましたがあまりに多くできすぎて、鍼灸師の供給が多すぎる状況が続いていました。
参入障壁が低い為に誰でも免許取得、参入できるようになると質の低下も避けられず、鍼灸師自体の地位も相対的に下がってしまいます。
柔整師も同様で、近所に江戸川区の柔道整復師会の会長の整骨院があり江戸川区主催のウォーキングフェスタや新年会など何かの折に顔を合わせることがあると話をさせてもらっています。
その折に柔整業界はもっとひどい様で、最近は会に所属しなかったりチェーン展開を急ぐところが増えてきて把握もできず、目も届かず(区内に四百近くあるそう)質がかなり低下していると危惧されていました。
会長の心配には早晩、消費者はもとより保険請求の元締めの厚労省も気付かない筈はなく自分たちを取り囲む状況に反映されるので追い追い判ることなのですが、需要は伸びていないのにサービス供給側だけ資格者が増えて厳しいのは目に見えています。
好きなことを一生懸命やって患者さんに喜ばれると更にその仕事が好きになって努力もして夢中になって仕事をする、つまり圧倒的な努力ができるのは好きなことだけです。
逆に云うと好きなことをやっている人には絶対にかなわない。
努力を努力と思っている時点で好きでやっている人には勝てない、だって本人は努力と思ってないんだからというのはイチローの言葉だったと思いますが、そう意味でいうとやればできるという考え方は間違っているのではないかと思っています。
好きでもないことはそもそもやる気も起きないし頑張る気にもなれないからやってもできない、できたとしても好きでやっている人と比較したら当然、喜びも少ないのだろうと思うのです。
同じようなことを大久保伸隆氏が「バイトを大事にする飲食店は必ず繁盛する」(幻冬舎新書)で書いています。
居酒屋のわが家葛西店長、塚田農場錦糸町店長から運営会社の取締役副社長まで出世して今は独立し、新橋烏森神社参道で「烏森百薬」という全国のお店の美味いものやお酒を取り寄せるセレクトショップのような居酒屋をやっているようです。
お客様感動満足と従業員感動満足の両方が上がることで結果的に売り上げも上がる、また従業員感動満足を上げるためには精神的報酬(やりがい、楽しさ)と経済的報酬(お金)が伴わなければいけない。
その為にもやはり売り上げが必要でしかも、それにはただ単に忙しいだけではないという状態を作らなくてはいけない等々。
バイトに限らず、飲食店に限らず、個人事業にしても結局のところ、仕事というのはそういうことなのかもしれません。
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