年度末近くになると引っ越し、転勤の決まった患者さんのと会話でしばしば話題に上がるのが、どうやって引越し先でいい鍼灸院を探したらいいのでしょうかということです。
医療の分野では医師免許で知識、技量はかなりの部分担保されていますし、飲食ならまあ失敗しても数千円程度ですし評価もしやすいのでリスクは少ないのかもしれませんが。
これが鍼灸院となると悩ましいのです。
僕がいつもアドバイスするのは、①「信頼できる人に聞いてみてください」ということです。
主婦の方のように職場などの知り合いがいなくても昔だったら八百屋のおばさんとか乾物屋のオヤジさんなどいい情報を持っている人がいたのですがすっかり買い物環境も変わってしまいました。
そこで致し方なくウェブ検索なのですがこれが曲者なのです。
よく同業者と話題になるのですが、身内で知りうる繁盛している鍼灸治療院というのは広告に全くお金をかけていないのです。
それはつまり単純な理由で集客しなくてもいいから。評判、紹介でキャパが埋まってしまうという理屈なのです。
ホンモノは広告どころかHPすらないところもあり、その辺りは鮨屋と同様です。
逆に検索で上位に挙がってくるのは人目につかなくてはいけない理由があります。何としても集客しなくてはいけないから。何故なら患者さんが来ない(足りない)からなのです。
例えば固定費がキツいので(人件費、家賃、広告費)当然その予算も高くなるのです。
以前、江戸川区医療五団体(医師、歯科医師、薬剤師、柔整師、鍼灸あマ師)の役員の懇親会でたまたま隣に座った歯科医師会の役員の方にいい矯正歯科を尋ねたところ「宣伝していないところ」と言われたことがありました。
宣伝文句で「口コミで評判」などと書くのは口コミしてもらえないからこそ自ら書くしかないのです。
食べログの評価が微妙なのは裁判でカカクコムに賠償金命令が出たことがありましたが、アルゴリズムがあって操作されているから。しかもお金の力で悪評は消せるのです。
サクラの存在(アマゾンの中華系の商品の評価等々)を皆知っているので「サクラチェッカー」などのアプリができるのです。
結局、信用信頼の蓄積がないので広告にお金をかけてSEO上位ということになると整骨院グループなど法人経営の資金力のある治療院ばかりになってしまうのです。
そういう理由で整骨院、接骨院併設の鍼灸院は基本的に勧めていません。あくまでも個人的に思うところですが。
知り合いでもダブルライセンス(つまり整骨接骨と鍼灸)の治療院経営者がいます。
そのオーナーは経営者としては数段優秀ですし、治療方法のバリエーション、メニューは多いのかもしれません。
しかし、純粋に鍼灸治療だけを求めている患者さんにしてみれば技術、経験が物足りなくなってしまうのかもしれません。
患者側にしてみればあくまでも結果を出せばいいのですからデンキだろうが整体だろうがどんな治療技術でもいいのです。
という意味で言うと何でもやできますよという治療院は結局どれも中途半端な知識、経験、技術に収束するのではないでしょうか。
ということでウェブで鍼灸院を探そうとすると骨が折れるのです。
で、広告にお金をかけていない、②「相当下位に表示される鍼灸専門の治療院」がいいのではないでしょうかと言っています。
なぜならば当院や仲間の治療院など検索をしてみても全然出てこないのですから。
それでハズレだったらごめんなさい。
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