健診での心電図の評価

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3年前の2021年2月、俳優の吉川晃司(55歳)が狭心症で冠動脈ステント留置術をしたというニュースがありました。

職業柄、普段から10キロのランニングと2~3キロの水泳をして昔からのあの体型を維持していましたが、それだけやっていても血管にプラークがたまってしまう、つまり動脈硬化が進行してしまうということです(それ以外が原因の狭心症もあります)。

そう考えると常日頃運動をしていてもそれで安心とは言えなくなります。報道によると3年ほど前から胸の痛みなどの自覚症状はありましたが、鍛えているのが裏目に出たのか検査の負荷ではユルすぎたのか異常が見つからなかったそうです。

昨年末の人間ドックで異常が見つかり、精査を経てわかったそうですが、たまたま医師の役を演じた縁で「チームバチスタ」の先生と知り合いだったのでそこでやってもらったそうです。

私の患者さんの症例。今年2月、76歳、肩関節周囲炎が主訴の男性。健診では今まで心電図は異常がなかったそうです。前夜からなんだか胸苦しく翌朝一番でかかりつけの近所の医院に行ったところ心電図で心筋梗塞だと言われて驚きました。急いでタクシーで救急病院へ行き即カテーテル手術で一週間入院。

その日はうちでの治療の予約があったのでタクシーと付き添う奥さんを待つ間にその医院から自分でキャンセルの電話をしてくるほどの余裕があったのです。

もう一例は当時56歳の自営業者、男性。江戸川競艇場で胸苦しくなり「こんなところで倒れたのがバレたらカッコ悪い」と自宅に戻ってかかりつけに行くと、やはり「心臓だから救急へ行け」とのことでタクシーで救急病院へ。

カテーテル治療後に2度の心停止でICUに2週間いたとのこと。この患者さんも毎年健診(人間ドック)を受けていたが異常はなかったそうです。そこまで詰まっていて異常なしとは健診の心電図って意味があるのだろうかと考えてしまいます。

健診で異常があっても期外収縮だったり、改めて24時間のホルター心電図をやってみても微妙なことが多く様子見という患者さんがほとんどです。

養老孟司も『養老先生、病院へ行く』(中川恵一共著 エクスナレッジ)で不調が続き何だか調子が悪いという不定愁訴と1年で15キロも体重が減ったため、糖尿か癌かと考えていたところ、念のためにとった心電図で心筋梗塞と判り同じくカテーテル治療をしています。

東大病院で検査をしたのですが糖尿もがんも大丈夫ということで、食事をして帰ろうかと思っていたら教え子の中川教授に呼び止められてからの手術だったそうです。

この4例からもわかるようにどの症例もステントで冠動脈を拡げるカテーテル治療が必要なシリアスな症例であっても直前まで切迫感や自覚症状があまりないことが少なからずあるということがわかります。しかも養老先生以外の3例は定期的に検査をしていたにもかかわらず心筋梗塞(吉川晃司は狭心症)の発症を予見できませんでした。

しかし、アップルウォッチに心電図を計測する機能が実装されるようになり2020年9月医療機器として認可を受けました。いつでも30秒間計測できるらしく365日ホルター心電図スタンバイのような状況ですから異常も発見しやすくなりますし心電図所見をPDFファイルとしてメールやLINEに添付して送ることもできるそうです。

不整脈を自覚しているか、もしくは指摘された特に男性は検査を受けて危険な不整脈を除外してもらい、いつもと違う感じがしたら早めにかかりつけに行くかアップルウォッチを購入し「不規則な心拍の通知機能」を活用することをお勧めします。

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