膝のサプリは効くのか

医療トピック

永遠に尋ねられる質問なのでしょう。

膝の痛み、腰の痛みや痺れに「サプリメントはどうですか」と。この質問に対する返答も医療関係者ならだいたい決まっています。

「自分がいいと思ったらいいんじゃないですか」

このテのサプリメントに期待する人の意見を否定するのも説得するのも、本人も薄々わかっていますし、納得する訳でもないので結局のところ面倒なのでどちらでもいいのです。

なかには「飲んでからなんか調子いいのよ」と真剣に言う人もいたりしますから無碍に否定するのも大人げない。

初期から中期の微妙な痛みは腰やひざに限らず、出現したり減弱、消失したりするのでプラセボ効果に影響され易くもあります。

高額でなければ、痛かった膝がサプリで少しでも楽になったと思うことができれば安いものです。

実際どれも月数千円程度の負担ですから効かなくても怒る気にもならないでしょう。しかも30分以内に注文すると今回だけ半額、しかも送料は会社が負担です!

そもそも「そんなことしか金の使い道がないんだよ」という自虐的な患者さんもいました。

そんなサプリメントのなかでも滋養強壮、疲労回復などを謳う(朝鮮)人参系の健康食品は心臓など循環器系に影響を与える危険を伴うので高血圧症等のある高齢者にはお勧めしてません。

もちろん、人参を含んでいても医師、薬剤師が処方、管理する補中益気湯や十全大補湯などの漢方薬はそのようなリスクも少ないのですが。

そういう意味では関節の痛み、下肢の痺れ系のサプリメントはビタミン剤程度の内容ですから特に毒にもならないので問題ないと思います。

そんなサプリメントやそのテの第3類医薬品よりも問題だと思うのは、クリニックできっちりよく効く薬(痛み止め)を出されっぱなしという場合があります。

その治療が根本から治す治療だと思い、よく効くのでそれなりに良くなっていると思い違いをして更に無理をして、薬を飲み続けた挙句にそれが単なる痛み止めだったと本人が気づいたときには症状がすっかり進んでいたという話をしばしば耳にします。

2021年に承認されたNSAID(ボルタレン)とヒアルロン酸を化学結合させた薬剤(商品名・ジョイクル)も画期的との触れ込みでしたがアナフィラキシー問題で話を聞かなくなりました。

ヒアルロン酸に関しても最近は関節軟骨保護というという意味でも疑念を呈する論文なども多いらしいのです。(メディカルトリビューン 「敗色濃厚、膝OAへのヒアルロン酸注射」)

このように医療提供者とはしっかり意思疎通を図りこの先の見通し、齟齬が無いようにしなければいけません。

身体のすべての部品はいたわりつつ大事に使うしかないのです。

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