疲れがたまると駆け込み寺的に来院する、野球ファンとは言えないが日本人メジャーリーガーファンの自営業、50歳代男性。とりわけ広島~ドジャース~ヤンキース~広島の黒田投手のファンでした。
そんなある日、テレビで雰囲気が黒田に似たお医者さんが「50を過ぎたら一度は大腸内視鏡を」と言うのに触発され便潜血検査をする気に。排便時ピリッと肛門に痛みを感じましたが「まあ“黒田”も言っていたから要精検でもいいか」と思っていたら案の定2日分のうち1日分が(+)で大腸内視鏡の勧めが来ました。
大腸内視鏡を受けるのが目的だったため躊躇なく胃腸科消化器科のクリニックで予約をして半月後、初の大腸内視鏡検査を受けました。
便の血液反応は本人の予想通り外痔核からでしょうと。しかし大腸内は根拠のない予想は外れ直腸にポリープが見つかりました。『茎の根元が白っぽいのは身体が異物と認識して反応しているから』とビビらされその場で取ってもらえず改めて大きな病院を紹介されました。
2週間後内視鏡によるポリープ除去手術の予約、1か月後EMR(内視鏡的粘膜下層剥離術)で3つのポリープを切除、2週間後の“結果発表”で切除した病理組織の診断は「腺腫」との事でしたがポリープが出来易いかもしれないということで、次回は1年後、それがクリアならさらに3年後の大腸内視鏡検査を提案されたそうです。
大腸がんは動物性脂肪、特に赤い肉の多食が原因の一つとされていますがこの患者さんは魚や野菜、和食が中心だそうです。しかも直腸がんの予防効果が報告されているコーヒー好きでもあります。結局のところ体質、生活習慣、食生活ももちろん関係しますが加齢そのものが最大のリスクになっているという事だと思います。
これが「若い頃運動していたから大丈夫」とかいう自己判断による自信に全く根拠がない理由です。自信が過信になり健康管理がおざなりになりがちです。
長寿の人に若い頃病気がちだった人や大病をした人が多いと感じるのは、そこで学んだ健康であることの大切さとその結果の健康管理に対する姿勢によるものなのではないでしょうか。
参考:固形癌の疫学 第6回 大腸がんのリスクファクター 井上真奈美、田島和雄(愛知県がんセンター研究所)
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