ヘバーデン結節とドケルバン病

鍼灸治療

以前、ヘバーデン結節について書きましたが(【放置されがちなヘバーデン結節】)こんなサイトをわざわざ見つけて区外から治療に来る人が何人かおられました。

何人かは整形外科を受診していましたが、痛み止めと湿布もしくは温熱療法かテーピング、装具を指導されただけで物を掴む時や安静時などに日々痛いので何とかしてほしいとのことでした。

基礎疾患や他の愁訴の無い場合は一回の来院で済むようにせんねん灸を使うか艾(もぐさ)とお灸用の線香をお渡しして患部へのお灸を自分で続けるように指導しています。

ヘバーデン結節は少しの例外を除き中年~老年期にゆっくりと進行する関節病変なので対抗する患者側も、じっくり腰を据えてやるしかないのです。

テレビCMや新聞で痛みなどへのサプリメントがいかにも効くようにやっていますがプラセボ頼み、いやそれ以下のパフォーマンスだからこそ呆れるほどの広告を打つしかないのです。だって効果が無いので誰も口コミで広げてくれませんから。

健康食品、サプリメントは人の弱っている気持ちを利用して、しかも結果がはっきり出なくても害がない限り責められないという美味しい商売でもあります。というより、プラセボがあるので効果があったとも無かったとも判別、証明できないところにこの商売のキモがあります。

鍼灸治療が選択される最も大きな理由には「他に選択肢がない」という理由が挙げられます。

解りやすいところでいうと妊娠中の悪阻や頭痛、逆子など薬が飲めないという場合と、今回の手指のトラブルでいうとヘバーデン結節など西洋医学(病院)で切れ味のいい薬や処置、治療がない、もしくは治療(湿布)と治療(手術)の中間を埋める役割を求められる場合が挙げられます。

ドケルバン病(母指のつけ根から手首の辺りの痛み)も同様の理由で時々患者さんが来ます。多くは出産前後の女性で、妊娠後期に何気ない日常の動作で発症したり、出産後の赤ちゃんの抱っこや頭を支える時に母指を伸ばして力を入れた状態の維持、繰り返しで発症することが多いようです。

更年期の女性、糖尿病の女性でもなりやすいようで、女性ホルモンが関係していると言われています。僕の経験では「むくみやすい状態」があるような気がしていますが、基本は使い過ぎ(周産期で云うと力を入れての母指の反らし過ぎ)だと思います。痛みを出さない手の使い方を会得してもらい授乳期を乗り切るようにしてもらっています。

治療としてはその患者さん特有の凝りや反応が出ているツボを探して鍼をして偏った緊張をゆるめるという感じです。こういう場合は大体頚肩、肩甲骨廻りにそれが現れることが多いと思います。仙腸関節に反応が出ていることも多々あります。

最近はスマホサムといわれスマホ操作での指の酷使で発症する事例が報告されていますが僕はまだ経験していません。

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