アルコールは合法だけど薬物

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3年ほど前ですが、酒気帯び運転のトラックが小学生の集団下校の列に突っ込み二人の児童が亡くなり一人が意識不明二人が重傷という痛ましい事故がありました。

何の落ち度もない将来のあるかけがえのない大切な命が昼間から酒を飲みトラックを運転するというどうしようもない人間に奪われてしまいました。こういった事故は昔から後を絶ちません。

覚せい剤や大麻は違法薬物として厳しく取り締まられます。しかしアルコールは二十歳以上は合法であるため、また特に日本の社会自体がアルコールをコミュニケーションツールとして使ってきた経緯もあるために寛容すぎる部分もあったりします。

抑圧され普段礼儀正しく勤勉であるというイメージの人が「お酒で人が変わる」「酒癖が悪い」などということもよくあり、過度のアルコール摂取によって抑制が効かなくなり、あのまじめなあの人がなど性癖がそのまま出てしまったり正常な人間関係にトラブルを来たすようになります。

では何故アルコールを摂取してしまうかというと、それは依存性のある薬物だからということになります。ニコチン同様に摂取すると快楽を感じる物質であり、しかしそれは依存性があるために危険なのです。

快楽を求める人、かなり厳しく言えばこれはすなわち現実から逃避するという意味ですが現実が辛かったり強いストレスにさらされている人にとってはそのはけ口、調整弁としてのアルコールがの日常的なフツーを維持するために簡便なツールとなる訳です。

しかし、しつこいようですがアルコール(≒エタノール)は薬物です。圧倒的大多数の人は仕事が終わって晩酌とか風呂上りに一杯とか仲間と楽しい食事の席で、など楽しいひと時や癒しのツールなのだと思います。

しかし中には過度に摂取する人も出てくるのです。そして今回のように常識では考えられない酒気帯び運転、酒酔い運転や性暴力を含む暴力にもつながり、とんでもない悲劇を生みます。

彼らはこの時点でまともな思考ができなくなっているのですが、それを助長しているのもアルコールに寛容すぎるともいえる日本社会であるともいえます。テレビCM然り、手軽に安価で手に入る環境然り。

最近のレポートでもあるように、現在はアルコールは少量でも飲まないのがベストであるという結論です。できれば飲まないに越したことはないのです。(「安全な飲酒量の目安」神話の崩壊 メディカルトリビューン 2018/9/5)

しかし、述べた通り手軽な薬物であるアルコールは依存性があり本人が意識しないうちにストレスがあると尚更容易に毎日飲酒になり摂取量が増えていきます。

飲酒に関しては肝機能をはじめ内蔵を気にする人は多いのですが、本人自身がアルコールに大きく依存している事を全く意識していないまま多量飲酒が日常となっていく依存症の方が根が深いと考えています。

何故なら多量飲酒はすべからく強いストレスや孤独など心の問題とリンクしているからなのです。

参考:「誰がために医師はいる―クスリとヒトの現代論」松本俊彦 みすず書房

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