自転車で患者さん宅を訪問する看護師さんケアマネジャーさんは少なくありませんが、ロードバイク(もちろんヘルメット着用)で患者さんを訪問しているのは僕ぐらいだと思います。
スクーターや三輪バイクで患者宅を訪問している鍼灸マッサージ業者はいくらでもいますが、トラックにあおられながら汗を滴らせて患者宅を訪れる暑苦しい僕のようなスタイルはかなりの少数派でしょう。
こんな自転車にヘルメット着用で患者さんを訪問する変わり者で僕が他に知っているのは神楽坂の漢方に詳しい訪問医、ワイズクリニックの米田吉位先生ぐらいです。
在宅での東洋医学というような勉強会で数回お会いしたのですが、距離を走るので以前は電動自転車の荷台に診療道具を入れた大きいバッグの他に予備のバッテリーを三個も積んで往診していたそうですが、バッテリーの性能も向上してその後はかっこいいパナソニックのオレンジの電動MTBでヘルメットに赤いLEDも付けていました。
訪問の先生は車での看護師同伴が多いのですが、ツーリング中のような出で立ちで一人で訪問診療をされています。
先日、付き合いのある訪問診療の先生が患者さん宅から訪問診療を終えて車へ戻るところに丁度出くわしたので挨拶をしました。僕の自転車を見て「いいですねえ、持ってみてもいい?」「軽いですねえ!」「やっぱりこのサドルいいですか」「大学の時にロードバイクに乗ってたんですよ」とのこと。
「また乗ったらいいじゃないですか」と言ったところ「乗りたいんですけど前立腺に悪いって医者に言われているんですよ」(いやいや、医者はあなたでしょ…)
実はこうした悩みは昔から意外に多く前立腺に干渉しないサドルもいろいろ売られています。ロードバイクはかなりの前傾のポジションをとるので陰部神経や前立腺を傷めやすいのかもしれません。
陰部神経会陰枝の痺れ絡みの話題ですが〈自転車とEDリスク〉の関連はあるのかという話題がメディカルトリビューン(2017.5.24)に出ていました。EDに関していえばプロ選手でもそういうことを聞いたことがありません(or言えないか)ので普通の通勤や趣味のレーサーなどは問題ないと思っていました。
内容は予想通りこの調査(カリフォルニア大学の研究グループ)の結論としては、サイクリストと対象のスイマー、ランナーグループとの比較では性機能では男女とも有意に高く、排尿機能、前立腺症状にも有意差はありませんでした。
が、高強度のサイクリスト(2年以上、週3回以上、1日40km以上の群)では会陰部の感覚が麻痺するリスクが男女とも有意に高かったということです。
『結論として、サイクリングは泌尿器や性機能障害には影響しないことを知っておくことは重要で男女とも心血管へのベネフィットが期待できると考えられる』と結んでいました。
前立腺(肥大症?)に関しては訪問の先生がかかっている泌尿器の先生(ややこしい)が言うように、まあ、自覚症状との兼ね合いだと思いますが無理してロードバイクに乗らなくてもということかもしれません。
自転車好きの人達は全然平気で乗っていますからある程度の症状が出ても痺れのように一過性か自己責任でということでしょう。
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