怒りは心のアレルギー反応

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仏教では百八つの煩悩があると言われますが、中でも特に私たちが苦しむのが「三毒」ではないでしょうか。

三毒とは貪(とん)、瞋(じん)、癡(ち)のことです。

貪はむさぼること、貪欲です。欲しいと執着する心もこれにあたると思います。

瞋は腹を立てること、怒ることです。

癡は愚痴ですが、癡はおろかとも読まれ「愚かなこと」と説明する僧侶もいました。

つまり真理を知らないがために愚痴るのだということだと思います。

この三つのうち個人的に最も難しいと感じるのは瞋=瞋恚(しんい)「怒りの心」だと感じています。

日常生活をしていれば特に都会で生活しているとどうしても人間社会が密なのでこの怒りの心がちょくちょく出てしまうのです。

個人的には仕事でその感情が出てくることは全くありませんが。

例えば仕事でよく自転車で移動するのですが、後ろからクラクションを鳴らされたり、対向する自転車が逆走だったり。

細い道を追い越したいのに左に寄らない自転車に限ってイヤホンをしていたり。

少し何とかならないのかという気持ちの時もあれば少しイラっとする時もありますが数秒後には忘れてしまいます。

無灯火の飛び出しなど相手がかなり危険な時は「いかんいかん怒っちゃいかん、冷静に」と心の中で自分を戒めるのです。

この様なシチュエーションは事故さえ起こさなければ一度きりですからすぐ忘れてしまいストレスにはなりません。

しかし、こういった感情が家族や職場、取引先になると状況は違ってきます。

そうなると「貪」つまりイライラ自体を思い出してはまた改めて怒るという、そこばかり執着したり、「癡」つまり恨み、ねたみ、憎しみのこころで怒りの「瞋」とあわせて三つの毒が文字通り毒のように体を心を蝕んでいきます。

この三毒は外部から体内に入った毒ではなく自分の気持ち、心の間違った反応として内部から発する毒ですから原因は心の過剰反応、つまり自己免疫の暴走のようなものだと思います。

ですから対策としては間違った方向の反応を抑えることが大切で、目の前の現象に過剰に反応しないこと、俯瞰で見る、客観視するということです。

「他人は変えられない」「自分がコントロールできるのは自分の気持ち、自分の行動だけ」などと考えられれば感情の波を抑えることが出来ます。

お金の為、家族の為にしょうがないと割り切ることが出来ればそんな上司、同僚に腹も立たないのかもしれませんが、これは元サラリーマンを経験したこともある私には考えられません。

だったらいっそのことその環境を変えてしまうということも選択肢の中に入るのかもしれません。

生活のための収入も大切ですがそれより大切なのはやはり心と体の健康なのです。

先立つものはお金かもしれませんが、それよりももっと大切なのは、今を生きているのですから毎日を少しでも楽しく健康でいることだと思うのです。

三毒と微妙につながっているのですが、当院の看板の「三つのS」はSLOW、SMALL、SIMPLEです。

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