期外収縮を改善する

医療トピック

定期健康診断で何項目か引っかかったというのは当たり前にあることですが、心電図の異常も患者さんからよく相談を受ける項目です。

それはお酒による肝機能や体重(BMI)のように自分でかなりの部分をコントロールできる項目とは少し違うからなのかもしれません。

脂質異常症(主にLDLや中性脂肪)もコントロールはなかなかですが中高齢女性は総じて大体高めですし、何しろそれよりも標準体重から少し重めでコレステロールも少し高めの方が却って長寿であるというデータもある位です。

しかし心臓疾患は日本人の死因の不動の第二位で約15%を占め数も年々増加しています。

心臓は毎日約10万回の拍動です。70年で25億5500万回。そりゃ傷むわという話です。大きさは握りこぶし程度、大人でも2~300グラム位です。

心臓は筋肉です。その筋肉にも自ら酸素、栄養を送って決して休みなく動いています。

洞結節というペースメーカーがあってそこから拍動が始まっています。この電気信号の流れいわゆる刺激伝導系に問題があると不整脈や心電図の異常が出てきます。

心臓には四つの部屋がありそれぞれに血液を逆流させないために弁がありますが、これが加齢によって開くべき時に狭くなってしまったり、ちゃんと閉まらなくなったりして手術の適応になったりします(心臓弁膜症)。

このように健気に休まず頑張り続ける心臓ですからやはり加齢とともに少しずつ機能が落ちていくということです。

昔は抗凝固薬を服用するしかなかった危険な不整脈である心房細動もここ20年位でカテーテルアブレーションなど積極的に根治治療をするようになっています。

その手術自体も冷却バルーン、ホットバルーンなど日々進化をし続けています。

冒頭の健康診断で引っかかる人の多くは期外収縮だと思われます。これは文字通り心房、心室が不規則に収縮する症状です。

自覚症状がある人もいればない人もいます。ほとんどは日常生活に差し支えるほどではありません。心房細動も自覚症状がない場合もあるのでこちらは注意が必要です。

ホルター心電図(24時間心電図を記録する)で精査することもありますがそれなりの回数が確認されても本人が生活に支障を感じなければ抗不整脈薬や抗不安薬などが使用されることはあまりないと認識しています。

こういった薬が却って不整脈を誘発することもあるからです。

何が危険因子かと言えばいちばんは加齢ですがこれは当然致し方ありません。

ではどうすればいいかと言えば、あたり前で申し訳ありませんが心臓に過度なストレスをかけないことです。

イライラする、過労、寝不足、心配事のほかアルコール、カフェインの摂りすぎも良くないとされています。

それらも対策としては当然なのですが、東洋医学的に対策を考えると・・・。

不満、怒り、イライラなどの感情は普通は外に出せません。意識的無意識的にかかわらず行き場がないので我慢をして、結局自分に戻ってきます。

つまり抑圧はストレスとして自身の身体に毒となるのです。我慢せずに爆発させたとしてもやはり当然ストレスですから身体には毒です。

その感情が湧いた時点で自分で自分の身体を痛めているのです。

ですから期外収縮と言われた方で心当たりのある方はその前の段階で対処する、イラっとしないこと、怒らないこと興奮しないことが先ず自分でできる簡便な対処ということになるでしょう。

そうなりそうになったら、それはそう考えてしまう自分に非があるのだということを自ら冷静に再認識するということが重要な改善法、治療法であると思います。

「あ、ダメダメ、こんなことで怒っちゃだめだ」「反応しない、反応しない」こんな感じでやっているとそれがだんだん日常になって多くの感情をいなせる様になってきます。

深い呼吸でそれを受け入れる、でも反応しない。そういう暖簾に腕押しというか、やなぎ腰というか考えを転換できるかということです。

敵も味方も自分の中にあるのです。

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