スポーツクラブはなぜ続かない

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チラシがよくポスティングされるのですが、最近は従来のピザなどのデリバリー系、学習塾に加えて運動系のチラシが多いと感じました。

1枚は近所にできたパーソナルジムのチラシでした。以前は訪問看護、訪問ヘルパーの事務所だったところです。

もう一枚も駅に近い飲み屋街のパーソナルジムでした。パーソナルジムという形態がコロナ以降、持続化補助金制度の活用も含めてあちこちにできていたのは知っていましたが。

以前は駅近くの中高年女性専用のジムのチラシも入っていました。

高価なパーソナルトレーニングから安価なスポーツクラブへの移行でライザップ系列のチョコザップもできていました。ここも以前は美容室だったところです。

しかしシャワーはないそうですが何故だかセルフエステ、セルフ脱毛とやらがあるのだと患者さんが教えてくれました。

京葉道路南側の小松川では24時間のスポーツクラブもオープンしました。ここは以前はパチンコ店でした(平井駅近くにはティップネス系の24時間ジムもあり)。

このようにこの3年ほどでこんなに運動するところが増えたのもコロナ禍以降の消費行動の変化と生活様式の変化が大きく関与しているのだと思います。

個人にしろ法人にしろ初期投資さえ可能であれば店舗運営の維持費は他の業種よりもかなり抑えれるからなのかもしれません。

何しろ汗を流して消耗するのは働く側ではなくお金を払う方なのですから考えたら不思議な話で面白いビジネスだと思います。コストがかかる人件費率が他業種に比べかなり抑えられています。

以前、勝間和代が「なぜスポーツクラブは続かないのか」という動画をYouTubeに上げているのを見たことがあります。

彼女は「スポーツ免罪符」と呼んでいましたが、患者さんにもそのような人が複数いたので納得したのです。

素敵なウェア、シューズ、水着を買いそろえてスポーツクラブに入会して、そこですっかり満足してしまい行く気はあるから退会はしないが気が付いたらほとんど行っていないというサブスクの罠にはまってしまうのです。

「サプリ免罪符」も同列に挙げていましたが、自分では運動や生活の改善、食事の改善はせずに定期的に送られるサプリメントを飲んで自分は大丈夫と(思いたい)思ってしまうその心理です。

やはりこれも同様にサブスクの罠なのですが。どちらも“努力はしたくないけれど結果は欲しい”という甘い考えが根底にあるのです。

スポーツクラブは会員の大部分が続かないこと、もしくは大半が利用しないことを前提に価格が抑えられています。

勝間氏は大体キャパの100倍位の会員獲得を目指していると言っていました。システムとしてサブスクの利益率が高いのはそういうことです。

筋トレ自体が好きな人、体を動かすことが好きな人、つまり楽しければ続きますが運動が好きではない多くの人は続かないということです。目的をはっきり意識している人を除いて。

仕事と同じで、お金のためだけの仕事はただただ苦痛なのと同様に運動のための運動は続かないのです。

つまり持続する人はアスリート、スポーツマン、筋力などのマニアもしくは明確な目的がある人ということになります。

このように社会情勢などによって減少する業種業態があれば増える業種業態もあります。

そう考えればこの、あちこちにスポーツジム、パーソナルジムがあるという状態も長く続くのだろうかというとそうはならないだろうと思います。

同じような業種ですが、ボクシング系のジムに通っている患者さんはミット打ちや3分刻みのサンドバッグが結構楽しいんですよと言っていました。

また、ヨガ系のスタジオに通っている女性も呼吸とストレッチが気持ちいいと言っていました。

いずれにせよ、体の動かし方や負荷のかけ方でも人により何が楽しいかそれぞれ違うということなのです。

この様にニッチな特化型を小さくやって顧客を確保して長く持続させるロングテールの考え方というのは鍼灸専門個人治療院にも共通する考え方だと思います。

いろいろな需要があるものです。それぞれのその後をもう少し観察してみたいと思います。

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