甘く危険な癒し動画

仕事

現代の社会生活において健康に過ごすための必須条件としてリラックスできる時間の大切さということを何度か書きました。

その自由な時間の過ごし方の一つがYouTubeですという患者さんが増えて来て治療中に話が広がります。

しかしYouTubeはほぼ無限と言えるくらいに動画があり、ジャンルも嗜好もかなり細分化されるため、好きなチャンネルが患者さんと被ることが滅多にありません。

自律神経の不調(体の冷えと起床時の「とんでもない怠さ」)で来院する30歳代会社員女性を治療中にもリラックスの話からYouTube動画の癒しの話になりました。

彼女は「社畜OLのリアル」というような自虐OLの日常の記録動画のようなものが同じ社畜としてシンパシーを感じ私も頑張ろうと思えかつ癒されるのだと言っていました。

その後、その話を思い出して仕事の合間にその動画をいくつか見てみましたが、私の印象としてはいやいや同じ社畜だと励まされている場合ではないと感じたのです。

それどころかそれは逆に危険であると感じました。

品のよさげな女性でビジネスホテルなどのプライベートショットの疲労困憊ぶりで男性の目を引き付けつつ嫌な上司の超パワハラ発言が字幕で語られ・・・。

営業の失敗の後、その腹いせの女性版孤独のグルメのような現地名産名物爆食いのギャップがあり。

体力の限界まで仕事に追われている風ですが動画はかなりの量の録画がされていることがうかがえ、効果音も含め編集も手が込んでいます。

案の定、1年で476万回、369万回も再生されている動画もあり150万再生というのも何本もあります。

これはフツーの社畜OLじゃありません。

同類だと励まされている患者さんには申し訳ないですがこれはプロOL、プロ社畜だと。

動画内で使っているTシャツなどオリジナルグッズまで売っています。本も出版していました。

実はOLという肩書ですがこちらの方が収入としては本業というレベルでしょう。

このようにコンテンツの目の付け所とやる気と継続力があれば仕事を続けながらノーリスクでYouTuberとしても成功できる時代なのです(編集なども外部委託なのではないでしょうか)。

実在する品のよさげな普通の女性が普段は見せない裏を見せることで女性は親近感が男性は特別感が高まります。

同じ社畜OL仲間だとうちの患者さんなどの同年代女性やサラリーマンたちの熱い共感を集めているのですが実はしっかりとした戦略があるのです。

ここで学ぶべきはブラック上司に耐えながらメンタルを削られつつも何とか折り合いをつけて頑張り続ける姿ではないのです。

ごく普通の営業の仕事をやっていながらも同時に動画撮影をしてそれをドキュメントすることで副業とし、もう一本の(サラリー以上の)マネタイズのラインを創造したセンスと才能と努力、そこなのです。

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