二人目の壁~家族のカタチ

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定期的に体調管理のために来院している30歳代後半の女性。二人目が欲しいが仕事も忙しく育児もありタイミング法でもなかなか結構な苦労です。

そこそこの夫婦が何故二人目でことさら苦労するのか(続発性不妊症)、やはり仕事と育児で余裕がないなどの他にもいろいろ原因も挙げられていますが。これも神のみぞ知るというところなのでしょうか。

その奥さんがフルタイムの仕事や育児やその他諸々タイヘンなのを見て御主人が「今度は僕が産めたらいいのにね」と言っていたと。

優しい御主人です。しかし、如何せん男には無理な話で。やはりホモサピエンスがどこまでも進化してもオスはオスでしかありません。

不妊の原因のうち男性に原因があるのは50%、うち半分の25%は女性にも原因(つまり両方に原因)があるとされています。

はっきりと原因が判って不妊症と診断されなくても妊娠しないという事実は毎月現実として提示されます。

でも、そこばかりに囚われるとこれまたそれが人生のすべての様になってしまいます。当然ですが子供を持つこと、家族を増やすことだけが家族のすべてではありません。

この御主人がふと言った言葉の様にパートナーのことを思いやるちょっとした言葉に夫婦の思いやりの深さが解ります。

それは二人目の子供は大変嬉しい授かりものですが家族としては三人でも、四人でも、当然夫婦二人でも二人と一匹でもそれぞれ唯一無二のかけがえのない家族の形なのだと思います。

以前、高齢の、子供を持たなかった(持てなかったそうです、当時、子宝を求めて鍼灸治療を始めたとのことでした)夫婦の治療をしていました。

とても仲が良い二人でしたが軽い脳梗塞になった御主人はその後、腰の痛い小柄な奥さんを治療のために電動三輪自転車の後ろのかごに座布団を敷いて座らせて近所のクリニックに通っていました。

こと自転車に関しては遵法意識が人一倍高い僕も何も言えませんでした。

その後もう一度脳梗塞を起こして外出できなくなった御主人の面倒を一生懸命に見ていた奥さんの方が入院、そして先に亡くなってしまいました。

奥さんの入院と同時に施設に入った御主人の治療をして欲しいとの姪っ子さんの依頼で亡くなる少し前まで治療に通っていました。

自転車が好きな人だったので季節折々の自転車から見た街の風景の話をよくしました。

このように夫婦、家族はどのような形態や、どのような行く末になるのか予測はできません。

しかし、理想論と言われるかもしれませんが、どのような形になろうとも現実を受け容れさえすればそこに幸せがあるのではないのでしょうか。

幸せは求めて掴むものというより実はそこにある一日一日そのものが幸せと感じられるか、なのかもしれません。

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