2024年3月に出た『わが投資術-市場は誰に微笑むか』講談社 という本を読みました。
2005年、最後の長者番付で著名なオーナー経営者などを抑えてサラリーマンながら(サラリーマンだから?)断トツの1位(2位の3倍の36.9億円)の納税額だったのが本書の著者、清原達郎氏です。
2023年をもって四十数年の株を取り扱う仕事から引退をしたのですが、その基本的な考え方、稀有な経験を全て語るという感じでこの本が出版されました。
1600億円のヘッジファンドを畳んで約半分の自己資金800億円が残ったということらしいのですが、スケールが大きすぎてよく解りません。
しかし、定年退職が無いなかでしかも世界中の投資家から継続を望まれているなかで自ら身を引く決心をしたのは何故かというとそれはやはり体力、気力の衰えでした。
咽頭がんで声を失い、歳もとってしまったと嘆いています。しかし、ショート(空売り)で“貪欲に儲けていく情熱”を失ってしまった、という表現が腑に落ちました。
空売りで100億儲けられたのに10億も儲けられらなかった・・・桁が違い過ぎて理解し難いのですが、自分自身に対する誤魔化せない気持ちや勝負への執着が衰えてきたのを感じたのだと思います。
新卒で入った野村證券をコテンパンに書いていますが、顧客に損をさせて自分たちは儲けるという当時の野村證券に対する「強烈な違和感」と表現した正義感もその後の氏の顧客への向き合い方を見ると納得がいきます。
しかし逆に言うとその実直さが自身にプレッシャーをかけギリギリのところで戦っていくという心身ともに負荷をかけすぎる結果になったのだと思います(だからこその並外れた結果なのですが)。
2025年1月に65歳で亡くなってしまった経済評論家の山崎元氏も同じ東大卒の同年で、同じような直接金融の業界で同じような病気(咽頭がんと食道がん)になっています。
どちらも判った時はかなり進んでいました。清原氏は声を失いましたが山崎元氏は亡くなってしまいました。
そういった意味でも最後の著書である『経済評論家の父から息子への手紙:お金と人生と幸せについて』Gakken は読んでいてグッとくる本でした。
ヤマゲンさんは長年ウイスキーをストレートで飲んでいたそうでその影響が大きいのではないでしょうか。
清原氏もアルコールなのか喫煙なのかそれ以外なのかはわかりません。何れにしろそうであればそれを求めてしまうのは並外れたストレスではなかったかと考えてしまうのです。
実際著書を読むと凡人には全くわからない映画のようです。もちろんリスクのないところにリターンはないのですが。
ところで、僕も常日頃思っているのですが、巻末にやっぱり女性には勝てないなと感じさせるオチ(種明かし)があります。ご一読を。




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