世論調査の価値

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共同通信社が週末(土、日曜)に実施した全国電話世論調査によると・・という記事が翌月曜日のニュースになっていました。

いつも世論調査というものには質問内容を含めて何の関心もないのですが、このコラムを書くために調査方法を見てみました。そもそもニュースとしての価値があるのかという気がしています。

客観的なデータには間違いないのですがかなりのバイアスがかかっていることを感じずにはいられません。

先日は固定電話での調査は有権者につながったのが673件で81.4%が回答。つまりイエ電に出た2割近くは回答をしていません。当院にも○○新聞からかかってきましたが、治療中ですぐに切りました。いや、患者さんがいなくても切りますけど。

この場合はここで言うこの2割にも含まれていないのだと。有権者かどうかもわからないのですし、電話がつながらなかったというくくりに入るのだと思います。

携帯電話には同様に1357件で40.0%が回答とのこと。ケータイでも4割が答えるなんて皆さん優しいなと思います。

以前は固定電話だけでしたがそれでは時間があって且つ日中在宅している高齢者中心のデータになるだろうということでケータイも含めているようです。

しかし、今時知らない番号から着信があっても出ないという人が多いでしょうし、仕事関係の電話かと出たとしてもコンピュータ音声を聞いた途端に切る人も相当いると思います。ですから1357件つながるためにどれだけかけているのか、そもそもの分母も知りたいと思います。

突然のこんな面倒な電話に付き合ってくれる時間を持て余している人のデータに価値はあるのでしょうか。そんな層にアプローチして 「今回の選挙は」 「○○の政府の対応は」 などと尋ねても答えは当然ネガティブな結果が出るのは予想がつきます。

大きな集まり、会合などで積極的に発言する人の中には、本当に訴えたい真摯な考えというよりも言いっぱなしの個人の憂さ晴らし、不満のはけ口をまとまりなく発言する人が時々います。

その他のサイレントマジョリティーは「やれやれ」と聞き流しているのですが、あの感じに似ています。

スポーツにも催し事にも興味があるアクティブな層は土日は出掛けていてケータイに着信があってもそもそもそんな面倒なことをするとは考えられません。答えるのは情報の多くをワイドショーなどの地上波テレビから得ているという人たちなのではないでしょうか。

そんな、意味などないように見える世論調査。しかし例外的に、選挙関係者にとってはこの丁寧に答える層が紙の新聞を読み選挙には必ず投票する層なので「世論調査=世論」として重要な指標となるらしいのです。

これからは世論調査をするにしてもウェブアンケートに、選挙もインターネット投票も併用に変わっていくべきというか、そうならざるを得ないでしょう。

このご時世、確定申告もインセンティブを付けたらあっさりe-TAXです。

時代の流れとともに選挙に行く度、あの膨大なコスト(人件費)と投票することの手間に疑問を持つ人たちが増えて主流になっていくことを期待しています。そうなってこそ世論調査がニュースとして価値を持つ調査方法に変わってゆくのだと思います。

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