似たようなことを何度も書いてきているので重複する内容だと感じる方がいるかもしれません。
しかしそれ以上に書いている本人がそれを感じています。いや、それを感じない位いつも臨床で意識させられ患者さんに言わせてもらっていることなのです。
何故ならすべての健康の基本にあるのはそこだと考えているからです。
それはつまり「心」です。東洋医学では「しん」と読みます。
これは精神の「しん」と考えてもいいですし、「心臓」であると考えてもらっても構いません。
東洋医学、鍼灸治療の最大の魅力はこの部分だと思っています。
分かりやすく言うとほとんどの患者さんには自律神経を整えるために鍼灸治療をしているのだと言っていいとも思います。
患者さんが訴える症状、愁訴は様々ありますが十把一絡げで乱暴なようですが結局のところ、フルオートのコンピュータで管理されているような個々の身体のシステムの不具合の微調整をするために鍼灸という刺激を使っているということです。
そしてその原因を突き詰めるとこれまたザックリ言うと身体のどこかに無理がかかった結果であると説明できます。
不具合はもともと弱いところ痛めやすいところか負荷がかかり続けたところに出現します。
例えばもともと消化器系が弱ければ下痢をしやすいですし、お酒を飲みすぎ続ければ肝臓に負荷がかかり傷めるといった感じです。
こういった例のように分かり易い原因であれば誰でも分かるのですが、日常的に仕事が忙しい人や今まで責任ある立場にある仕事をこなしてきた人が急に体が怠くて動けないとか、
首や肩が苦しくてとても普通に仕事が出来なくなったと訴えられても「何それ?」ということになります。
そういう何科にかかったらいいのか判らない、いわゆる不定愁訴もしくはなんだか変な症状や説明できない感じ、違和感というのを理解するのに東洋医学はとてもフィットしやすいのです。
よく心身一如と言いますが、心と体はひとつであり裏表でもあります。
一口に腰が痛いという症状でも一人ひとり掘り下げればそこまでの過程は当然すべて違います。
これまでの過程をよく聞いて痛み、凝り、張りもしくはそれ以前の違和感などを丁寧に確認し鍼と灸をする。
そして本人がたぶん気付いていない改善点を指摘し日常生活と心持ちを少しだけ修正することを提案する。
その繰り返しの毎日です。
それを解りやすく表現すると「心のストレッチ」ということになるのです。
ひいてはそれが身体のストレッチになるということです。
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