長生きする食生活とは

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世界には健康で長寿の人々が数多く居住する特別な地域があり、その地域をブルーゾーンと呼ぶのですが、五つのブルーゾーンで長生きする人々の生活習慣を調べた研究があります。

五つとはイタリアのサルディーニャ島、カリフォルニアのロマリンダ、コスタリカのニコヤ半島、ギリシャのイカリヤ島、そして沖縄です。

これらを詳細に検討すると共通する長寿の要素が浮かびあがりました。
それは

1、体を日頃から動かすこと
2、生きがいを持ち続けること
3、ストレスを避けること
4、腹八分の食事習慣
5、野菜中心の食生活で肉、加工食品を少なくする
6、少量の飲酒
7、信仰に基づくコミュニティに属すること
8、助け合う仲間を作ること
9、家族を大切にすること

飲食は4~6の3つ、周りとのコミュニケーションが7~9の3つ、あとは運動と心の持ち様といったところでしょうか。

これは現代の沖縄の高齢者ではなく調査データでは戦後直後で主食はサツマイモなど野菜が60%、穀物は33%、植物性たんぱくが5%でした。魚、肉など動物性のタンパクや脂質はほとんど摂取していません。つまり動物性たんぱくと脂質はあまり長寿に影響していないとも言えます。

現代の沖縄では食生活が西洋化されてしまったため今後は突出した長寿が期待できないと考えられています。それは沖縄県人の年代ごとの血液検査から酸化ストレスの割合(過酸化脂質の量)がほかの年代と比較して100歳以上で圧倒的に低いことでも明らかになっています。

サツマイモなど抗酸化物質が豊富な食品の摂取も体の酸化ストレスを軽減していると考えられました。これはつまりビタミンEなどの抗酸化物質を細胞内に多く持っていることで、エネルギー産生の際に発生し細胞を老化へと導くフリーラジカル(活性酸素)の影響を受けにくいのだと思われます。

また、食生活においてのトピックスとしてここ15年来糖質制限が注目され炭水化物ばかりが悪者にされがちですがそれは極端な考え方と言えます。糖尿病を指摘されているのなら別ですがご存知の通り炭水化物は重要な三大栄養素の一つです。

知らず知らずのうちにお菓子、スイーツやファストフードなど単糖類(砂糖など)を大量に摂取している事実がまずあって、さらに米、小麦を食べることでインスリン抵抗性が高くなりメタボリックドミノへの流れになるのです。

糖質制限はまず甘いもの(清涼飲料水、お菓子など)から始めるべきです。そして何よりそれ以前の基本中の基本は活動量に合わせた食事量にすることです。

沖縄の高齢者がビタミン豊富なサツマイモ中心の食事で長寿という恩恵を受けたように、現代のような高カロリー・高たんぱく・高脂質の動物性中心の食生活と和食を比較するとマウスの実験でも和食の方がより長生きするという結果が出ています。

20代の人間での45年前の和食(つまりかなり質素だということ)と現代食とを比較した実験からも脂質異常症や糖尿病などの生活習慣病のリスクを軽減させる可能性を示す結果が出ています。

結局のところ、一般的な活動量の私たち日本人に最適な食生活はと考えると、洋食より和食、肉より魚、揚げ物より煮物、時々洋食ということでしょうか。これはあくまでも大人の話で成長期はまた別の話だと思いますが。

しかし、この満たされすぎた食生活の日本でどこまで質素で少なめの量で満足し足るを知ることができるのかどうかが生活習慣病と距離を置いて健康に過ごせるかどうかの大きな鍵となるのだと思います。

参考: 『医師がすすめる 少食ライフ』 石黒成治著 クロスメディア・パブリッシング

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