肩、腰、膝、消化器系、メンタル系と愁訴を訴える20年以上の付き合いの多摩地区の80代女性。かかりつけの整形外科の医師に前脛骨筋(すねの辺り)の痛みを訴えたところ腰部レントゲンを撮られ「どうしてこんなになるまでほっといたの」と言われたとの事。
「『ほっといたワケじゃないけど』と心の中で思ったけど」と本人も苦笑。今まで何回も顔を合わせている医師なのに写真を見た途端にこの発言です。忙しいですから現代医学では血液検査、画像検査がほとんどの判断基準材料になるのはしようがないのでしょうが。
体操、せんねん灸、鍼灸など散々身体の手入れをしてヘルパーの仕事を75歳まで頑張って(僕が何年か地方で働いているときは近所の鍼灸院にも通っていました)、それでその結果がこの腰椎だということです。
そもそもこの医師の対応の何が問題かというとそこまで言っておいて、彼には出し物がないということです。ロキソニンテープはあるけれど。レントゲン写真の見た目の感想を患者にそのまま口にしただけで患者さんの来し方行く末をほとんど考慮に入れない、聞きもしない。
「今までどういう手入れ、治療をしてきましたか」と純粋に興味を持つのが医療者、施術者としてごく普通だと思うのですが。そんな暇じゃないよと言われるでしょうが、冒頭の発言は患者さんより自分の常識、知識、立場から見下した発言である気がします。
別な例では、50代女性。長眼軸長(強度近視)眼の為に日頃から眼の症状は自分なりに勉強して気を付けていたのですが急に見えにくい症状(飛蚊症)が強くなって心配なので病院に行ったところ、検査で心配(網膜の病変)を否定されたのはいいですが最後に「もう少し勉強してください」と一言嫌味を言う医師。
いや、勉強しているからこそスリットランプで眼底所見を診てもらいたかったのですと。どちらも60歳前後の勤務医だそうです。確かにちょっと知識があって自分の考えを言う患者さんは面倒でしょうが、自分の身体なのですから自分なりに勉強して大事にしようと考えるのは至極当然なことです。
皆さん診察室ではぐっと我慢しているのです。それでここで吐き出すと。僕には気を使いませんが医師にはかなり気を使っているのです。患者さんもウチの治療室での放言ですっきりするなら、ごく少数でしょうがこういう医師が存在しているおかげで僕の存在価値もあると言えるのかもしれません。
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