『誰でもみんなうつになる』(ハラユキ著 KADOKAWA)という本(コミック?)を読みました。著者は小学校高学年の子供を持つコミックエッセイスト、イラストレーターでこの本も多くはコミック形式になっています。
自律神経の不調やうつの患者さんを治療する機会も多いのでこのカテゴリーはいろいろな本を読むようにしています。
著者は、もともと仕事柄取材などしていた積極的な人で自身が「軽・中度のうつです」と診断されてからもいろいろ精神科医に確認したり、担当医に診察の短い時間に自分の健康状態についての質問を準備したりしています。
その努力はうつ、精神疾患の本も結構読んで研究しているところにも感じられます。
立場としては彼女はうつの当事者で、私は治療(を含めて)への興味という動機は違うのですが共感できるところが多くありました。
例えばうつ症状といっても症状から訴えまで皆それぞれ全く違うということです。
よく「知り合いの○○さんがここで良くなったといって紹介してくれたので私もお願いします」という状況が少なからずあるのですがそれと同じで「いやいや彼女は彼女、あなたはあなた、別人ですから」というのと同じです。
精神症状を含む患者さんの中にはあえて身体症状だけを訴えてくる人もいますし、精神症状だけを訴える人もいます。
体の不調を紐解いていくうちに実は両方の症状があることも多いのでそれこそ多様な対応になります。
著者は抗うつ薬であるSSRI(Selective-選択的 Serotonin-セロトニン Re-uptake-再取り込み Inhibitor-阻害薬)のセルトラリン(商品名ジェイゾロフト)を処方されていました。
枯渇しているであろう、幸せホルモンのセロトニンが神経伝達物質としてシナプスで伝わり切れず回収されてしまう働きを抑えるという薬です。
自身でも市販薬(命の母A)を試したり同類の漢方薬を医師に処方してもらい積極的に頑張っているのですがそれこそ各人各様でそれが誰でもいい結果につながるかというとそうでもないのが精神症状を伴う疾患の難しいところです。
著者は本人の性格はもとよりご主人や周りの仲間に恵まれていたこともありますが、重要なのは処方された薬を服用して頑張りすぎずに「休むこと」です。
彼女の場合は誰でも少しずつ進む体力の低下(更年期症状)、フリーとしての(基本不安定な)仕事、PTA活動、子供のコロナ後遺症の心配など諸々の要素があったようです。
医食同源という言葉があります。やたらカレーが食べたくて体力がない中でやっとの思いでカレー屋を巡るくだりを描いていますが、ターメリック(ウコン)をはじめカレーに含まれる数々のスパイスを体が暗に求めていたのかもしれません。
ターメリックはショウガ科ですが僕もショウガは大好きなので欠かしませんし、生の山わさびを取り寄せて刺身からお弁当(ふりかけ代わり)まで多くの食材に使っています。
「三ツ矢サイダーのクラフトコーラ」も挙げていましたがわかるような気がします。しそや山椒、生姜(ジンジャー)などが入ってちょっと美味しいのです(現在は発売していません)。
うつが簡単に治る特効薬などはありませんが、不安な気持ちを客観視できれば、脱力して体勢をリセットできれば無理しなくてもいい、頑張らなくてもいいんだと思えます。
避けなければならないのは「不安」、「不眠」、「過労」、「孤立」です。
ローカルに江戸川区的に言うと“風の無い(これとっても大事)荒川で沈む夕陽を見るような穏やかな気持ち”その様な心持ちで日々を過ごしていただきたいと思うのです。



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