20歳代女性。当院での主訴はいつも肩と背中の凝りでしたが、先日は婦人科にも反応が出ていました。
何か婦人科で問題はないか尋ねると2か月間無月経で婦人科を受診し検査をしたところ「多嚢胞性卵巣症候群」と診断されていました。
20~30人に1人の割合で存在し不妊の原因となる疾患なのですが、原因としては脳下垂体から出るホルモンと卵巣から出るホルモンのそれぞれのバランスが崩れることとされています。
しかし、それが何故崩れるのかというとその原因となる更なる根本の原因はよくわかっていません。遺伝的体質や環境素因が関係するのではと考えられているようです。
もちろん、婦人科にかかって薬物治療をしているのですが、鍼灸治療では東洋医学的な解決を目指すアプローチとして体全体、生活全般に注目することになります。
様々な素因があるにせよ症状として出現したり、疾患として成立するには原因としてそれなりの負荷がかかりその人それぞれ体の弱い部分や臓器に症状、疾患として発現してくるのだと思います。
西洋医学とのアプローチは違いますが薬物治療や侵襲的治療という手段が無いので、仕事や生活を含めて根本から身体の状態を見直し再構築しようとするのが東洋医学的な考え方であり鍼灸治療でもあるのです。
そういった面からやはり現在の仕事は好きなうえに、若さとまじめで負けん気な性格にまかせて今まで何とかできていたのかもしれません。
しかし、お給料はずっと上がらない上に心身ともに負担が大きく長く続けられる持続可能な仕事ではないのではないかと提案しました。
どこかに無理があると結局続かないのです。気持ちが強固で精神力でクリアしようと思っていても体がついていかなくては続けることができませんし、体が頑丈でもメンタルが持ちこたえられなければそれもまた続けられません。
本人も、頑張って来たがこれを機に転職を考えているとのことで僕も大いに賛同しました。手に職があります。
少し休むのもいいかもしれません。ペースを落として働くのもまたアリなのではないでしょうか。被雇用者の身としては現職での交渉よりも環境を変えるのが簡単で早いのです。
とにかく心身ともに健康である、健康であろうとすることがすべての基本になければいけません。
考えるまでもないことですがやはり過剰な精神的負荷、肉体的負荷のある人の何らかの故障の確率はそうでない人と比べるとそこが原因と言い切ってもいいくらい圧倒的に高くなります。
年齢、性別に関係なく連続的でも断続的でも無理を続けるということは遅かれ早かれ必ず行き詰まるのです。
肩凝りや背中の痛み程度ならそんなに深刻ではありませんが、女性の場合婦人科のトラブルはその後の人生に大きく影響します。
この患者さんのように20歳代半ばで気付き、軌道修正しようと思えたのも自分の身体の声を聴き無頓着でいなかったことが重要なのだと思いました。



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