早いもので平井で開業して25年が経ちました。毎日仕事の前には治療院の前の4m道路と看板を置いている私道を掃除するのがルーティンなのですが、今までどれだけのたばこの吸い殻を掃除してきたのでしょう。
この20m程度の距離だと思いますが昔は毎日10本近くありました(現在は1~3本程度)。昔は毎日よくこれだけ捨てられるものだと思ったものです。
時代の変化とともに吸う場所が無くなってきたので歩きながら吸うのだと思います。駅近では遠慮する人もいるのかもしれませんが、帰宅時なのか駅から少し離れてたばこに火をつけて吸いながら歩いてこの辺りがちょうど捨て時なのかもしれません。
もちろん歩きたばこをしない人も多いでしょう、吸い殻入れを持ち歩く人もいるでしょう。しかし街路樹や排水溝の蓋回りへのポイ捨てなど、吸わない人間からすると信じられない道徳観なのです。
たばこを吸う人はニコチン依存症(昔はニコチン中毒)なのですが圧倒的に身体全体に悪影響を与え、なおかつ金銭面でも医療費、たばこ税で莫大な負担です。
元教師の患者さんが、小さい頃から身近にたばこがある環境というのも大きいけれど、若い頃からそういった刺激を求めてしまう人間は早いうちからたばこに手を出し中毒(=依存症)になるのだと言っていたことがありました。
YouTuberで不動産コンサルタント会社CFネッツ会長、実業家の倉橋隆行氏は、会社の社長や資産家でたばこを吸っている人を見たことがないと言っていました。会社としても喫煙者を採用しないとのことです。
星野リゾートも何年か前に同様の採用方針を表明して話題になりましたが、接客業ですから当然と言えば当然です。
合法とはいえコカインやヘロインと同等の強い依存性があるのです。前回書いた睡眠薬、抗不安薬のベンゾジアゼピンよりずっと強い依存性です。
幸いなことに当院に来院される患者さんではたばこの臭いのする人はほとんどいません。基本的に鍼灸治療、東洋医学が好きな方と喫煙者とは対極的な立場にあるのではないかと思っています。
ケアマネジャー、訪問看護師さんの紹介、依頼での訪問治療では元喫煙者がいましたがやはりCOPD(閉塞性肺疾患)や悪性腫瘍の患者さんでした。
その他にも病気になってからたばこをやめた方も何人か依頼されましたが緩和ケア以外には力にはなれませんでした。
富山で夫婦で居酒屋を経営している友人は長年のたばこの煙で奥さんが健康を害したことと、禁煙の世の中の流れの中、分煙(カウンターだけ禁煙)を経てかなり前に全面的に禁煙に移行しました。
客層はやや変わりましたが、結果的には売上げは上がったと言っていました。たばこの煙や臭いがつくのが嫌で敬遠していた女性同士の客などが多くなったそうです。
非喫煙者からしてみればたばこの臭いがするところで飲食をしなければならないという不快さは想像に難くありません。
個人的にはお酒もやめたので飲まないし、全く外食もしないのでたばこの煙で不快な思いをすることが無いのですが、以前、よく閉店作業で看板をしまう時間に当院の前をたばこを吸いながら子犬の散歩で通りかかる70歳代くらいの男性がいました。
その男性がたばこを吸いながら変な咳をしていたのが気になっていましたが、去年の秋以降ぱったりその姿を見かけなくなったのをこの文章を書いていて思い出しました。



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