元経産相官僚で経済評論家の岸信幸という人がいます。
私と同世代で以前からネットの経済関係の番組でよく見ていたのですが2023年の夏、多発性骨髄腫という10万人に5.8人という病気にかかったことを発表しました。
4週間入院し、抗がん剤治療をして造血幹細胞移植をしてまた戻ってきました。
入院に際しても、ちょっと多発性骨髄腫で入院してきますというような軽い感じのSNSで入院し、退院してからのインタビューも淡々と答える様子が意外でした。
予告通り抗がん剤で頭髪は無くなっていましたが、病気になってからは黒く染めるのもやめて現在は白髪の短髪のようです。
もともとネットの経済番組でも官僚上がりの評論家ということで、ストレートで少々シニカルな話し方をするのであまり好印象を持っていませんでした。
そういう印象だったのでこの度の突然の重い病気の受け入れ様には感心させられました。逆に、だからこその受け入れ方(結論から考える)だったのかもしれません。
そして彼もまた、この病気で今までスタジオなどで顔は合わせるけれどあまり好きではないと思っていた人たちがとてもやさしい言葉や気遣いをしてくれたことに感謝し、そんな気持ちで接していた自分を猛省したとのことです。
ネガティブな感情を抱いていたのは自分の心が狭かったからだと。「世の中の大半の人はやさしくて温かいんですよ」と。
病気にしても「なってしまったものはしょうがない」、医師からは「あと10年15年は大丈夫ですよ」と言われ、治療をしっかりやって却ってこれからの10年15年を精一杯エンジョイしてやろうと。
「病気になったことでそう考えられるのだからラッキーでしょう」とまで言っています。
同じことを若年性パーキンソン病に罹患した、マイケル・J・フォックスも書いていたのを思い出しました。「本当に大切なものを僕は病気のおかげで手に入れた」と。
いい結果が出る人はやはり考え方がポジティブです。以前ポジティブな意識の人ほど予後がいい傾向という統計結果を読んだ記憶がありますが、普通に考えてもそりゃそうだと思えます。
誰もネガティブな人とは付き合いたくないのと同じです。
金銭的な余裕があるからそういった思考ができるのだとも考えてしまいがちですが、それも含めてその人のこれまでの才能、努力、経験そしてそこから導かれる考え方の結果なのだと理解すれば考え方を変えられるのではないでしょうか。
参照:GOETHE[ゲーテ]公式サイト
『ラッキーマン』 マイケル・J・フォックス著 ソフトバンクパブリッシング
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