いい仕事をしていたら周りがほっとかない

仕事

数年前、4ヶ所骨折により痛みとともに自宅警備員の日々でした。YouTubeを見ているとすぐ日が暮れてしまい一日が終わります。

明日の保証のないフリー、個人事業主ですから以前だったら少し予約が途切れただけですぐ心配になったものです。

しかし、長く続けていると成長するもので実際仕事にならないとなると三週間の休みも悪くないものだと思えるようになりました。

そもそもサラリーマン、公務員など被雇用者の方には理解しにくいかもしれませんが、精神的な部分においてもフリー、個人事業主は仕事とそれ以外の境界線があいまいなことが多いのです。少なくとも私はそうです。

自分で選んだ(好きな)仕事、(たぶん)得意な事をやっているのでマネタイズできている限りにおいて不安やストレスになることはありません。

趣味とまでは言いませんが、それに似た感じの延長線上が仕事になっていると表現してもいいかもしれません。自転車好きの自転車屋さん、工作好きの大工さん等々。

うつの原因はざっくり「人間関係」か「自分の体力、能力を超える仕事」(もしくは両方)と考えられますが、自己裁量権100%(=自己責任100%)でそのストレスがありませんから心を病むこともありません。

嫌なことをやらされる、強いられる、嫌な人と(長く)仕事をすることがないからです。

『お金の大学』がベストセラーになったリベ大、両学長のYouTubeのライブ配信をよくラジオ代わりに聞くのですが、彼が「永遠シリーズ」と呼ぶ何度答えても永遠に来続ける質問があります。

「貯蓄型保険はやめた方がいいですか」とか「いまのタイミングは買いですか」というような知識、情報不足の質問と同様に無くならないのが「やる気の出ないときはどうしてますか」「落ち込んだ時は…」「仕事が嫌な時の気分の切り替えはどうしてますか」等々の質問です。

その度に学長は「そもそも好きでやっているのだからそんな時はないのだ」と答えているのですがそこが理解できないようなのです。

メインのリスナーが20~40歳代でしょうから当然と言えば当然です。

この質問者との齟齬はそもそも彼らが「いやなこと」「辛いこと」の対価としてお金をもらっているからでありスペシャリスト(職人)、専門家や仕事イコール趣味の人とは全く立ち位置が違うので理解できない感覚なのではないかと思います。

リタイア・アーリー(早めの退職)など望むべくもありませんが好きなことをして生きているという意味では共通している私にもよく解ります。

やらされ仕事(苦役)ではなくて半ば楽しんでやっている訳ですから当然リタイアする気も無いのです。

趣味を楽しんでいる人に「やる気がない時は?」なんて聞かないでしょう。

FIREへの向き合い方もYouTubeや書籍を見るとサラリーマンのそれは今の生活から早く脱出するための節制、最大投資であと何年、という感じで考える人ばかりなのですが、これも「雇われ仕事」をしていると考えるとしようがないとも言えます。

フリーエージェントになってしまえば現在がすでにストレスフリーで好きなことが出来ているのでリタイア・アーリーの必要がないのです。もっとも退職金が無いので行けるところまで続けるしかないと言えばその通りなのですが。

逆にその得意な仕事が無かったら、それこそ定年近辺で何のウリも無くフリーエージェントとして放り出された元正社員のようにアイデンティティが無くなってしまいます(そのために厚生年金、退職金があります)。

早くからフリーエージェントになっておく、もしくはフリーエージェントに乗り換えるメリットはここにあります。

「一個人として自分は人に何を与えられるのか」否応なく問われるのです。

サラリーマンでも乏しい年金をやりくりしながらアルバイトで食いつなぐのと、現役時代の専門知識やスキルを活かしてよい評判を仕事につなげていくのでは人生の満足度が大きく違ってくるでしょう。

平井・小松川は昔から町工場が多くスペシャリストが多い街です。

税理士さんや内装、金属加工、溶接の職人さん等々が患者さんでいらっしゃいますが、70歳を過ぎても皆さんずっと仕事を続けています。

いい仕事ができるスペシャリストは長い期間で評価と信用が蓄積されるので黙っていてもやはり周りが放っておかないのです。

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