人生はゲーム

仕事

山崎元さんの遺作となった『経済評論家の父から息子への手紙』(Gakken)の中で最も印象に残っているのが「資本主義はリスクを取りたくない人間からリスクをとってもいい人間が利益を吸い上げるようにできている」という一文です。

これに尽きるといってもいいくらいわかり易い。確かに。人生はゲームですから適度にチャレンジしていかなければそれなりのリターンしかないのです。

~が心配、~が不安だと医療保険、年金保険をかけていたら気持ちは安心なのかもしれませんがいつまで経ってもお金は貯まりません。

子育ての終わった50代の人に、独身60男にがん保険、医療保険は要るのでしょうか。こういう人に限って人のアドバイスは聞き入れないのです。

預金をリスク資産(投資)にすることによって利益は得られるのです。

仕事でも思い切って転職する、独立する、起業することで人と違った自由や利益を手にする可能性が高くなるということです。

『87歳、トレーダー シゲルさんの教え』(藤本茂著 ダイヤモンド社)という本はまさにそれを体現している現役トレーダーの人生とその熱い思いがつまった内容でした。

流行りのNISA関連やその運用に関する投資本とは全く違います。何が違うかというと仕事(≒ゲーム)がとことん好きだということです。

この人の幸せなところはまさにここで、デイトレードを好きでやっていることなのです。これが全てです。

ほかの、FIREだ、金融資産5千万だと言っている人が運用しながら毎年4%を切り崩しても統計的に元本は減らないままだから、お金のために嫌な仕事をせずに経済的に独立して一生暮らしていけるという方法を夢見て節約、投資しているのとは全く求めているものが違うのです。

18億円の資産がありながらデイトレードで87歳になった今も毎日株式市場の開く日は前場後場と休まず画面に張り付いているのです。

朝は2時に起きて米国市場をチェックし4時から日経新聞を読み入念な準備をして6~7時は散歩。

そこですれ違うラジオ体操に参加する高齢者に家に帰ってからすることがないと嘆くくらいなら株をすればいいのにとつぶやくカッコよさ。

毎日の取引をノートにつけ一日を反省し午後8時に寝てまた午前2時に起きるのです。

このように成功している(ごくごく一部の)デイトレーダーはめちゃめちゃ重労働なのです。生活のほとんどを注ぎ込み売買頻度の多い短期取引は毎日数十回からの分刻みの取引です。

この様にデイトレード自体はもちろん大きなリスクを取っているのですが、最初からそうだったわけではなく69年前、もともとはごく普通に高校を出て義兄の紹介でペットショップに勤めています。

しかし給料が安かったのでリスクを取って(=チャレンジ)自分で独立、のちにその場所が立ち退きになったので補償金をもらってペットショップに見切りをつけそのお金を使って雀荘をオープン。

それが成功してまた投資をして複数店を経営し麻雀が下火になったところで売却。

その後、証券会社への電話注文の時代を経て今では3つのディスプレイを駆使して1日およそ20万円の利益、年換算で約6~7000万でしょうか、あと数年で20億円ですがそれでも「道半ば」だと言っています。

このエネルギーはどこから来るのでしょうか。

それはやはりそれが「好きだから」なのです。ですから金額の事もほとんど出てきませんし、儲けた話など全く出てきません。好きなゲーム(デイトレード)の攻略法(テクニカルな話)ばかりです。

68年間やってきたのは儲かるからとかそこではなく、システムや経験、知識を駆使してゲームを攻略することがとにかく好きだったのです。

これだけ真剣にゲームに取り組んでいたら認知症どころか頭が衰えるわけでもなく、「アナリストなどは株で食えないから適当なことを言っているのだ」と言い切ります。

「そんな情報が参考になることはない」と。そりゃシゲルさんより経験豊富なアナリストはいませんから。そしてここまで全身全霊努力(=調査、研究、勉強)ができてしまうという意味で天才なのです。

シゲルさんの人生と自営、個人事業主の共通点は、努力の量と金額には文字通り二桁違いの圧倒的な差はありますが、そこそこのリスクを取って好きなことを仕事にするということです。

それを仕事に出来るというのはそのやりがいはもちろん、精神的な自由度、人生の満足度においても、より充実したものになるのは至極当然のことだと思えるのです。

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