膝が痛くて悩んでいる人は今も昔もたくさんいます。
その証拠にウェブサイトでも新聞、テレビでもサプリメントや健康食品、軟骨成分やらの広告を見ない日はありません。
そしてそれを飲んで良くなったという話もまた一度も聞いたことがありません。
いや、もしよくなったという人がいたとすればたまたま痛くなったり改善したりするような軽症(初期の変形性膝関節症)かプラセボでしょう。
お金を払っているのに対価(効果)がなくても誰も問題にしない、何も問題にならない。いい商売なのです。
大企業から中小までこぞって参入し、当然いい口コミは皆無なので広告を大量に打たざるを得ないという理由も理解できます。
でもプラセボでもいいのです。このテのサプリメントのいいところは効きもしない代わりに副作用も無いところだからです。
しかし、決定的にサプリが良くないのはそういうものに頼る人がそれで満足して自分でできる努力をしなくなることなのではないでしょうか。
実際サプリの中には本人ではどうしようもない症状に対応すると謳っている物もあります。
夜間の尿意、尿漏れ、勃起障害などのサプリメントは害もありませんが効果もほとんど無いでしょう。
体重に関してもサプリメントではなく体重(やBMI)を少しでも適正値に戻す「行動」が大切だということです。
決して漫然と次々に出される痛み止めや次々と届くサプリメントを飲み続けることではなく。
痛みを出さないように日常を過ごす努力つまり、行動や所作の工夫から太ももの筋肉を落とさないようにする努力、体重を適正値に保つ努力からは背を背けてはいけません。
フレイル、ロコモディブシンドロームなど横文字ばかり使う意味が良くわかりませんが、要は筋肉が衰えて身体を支えられなくなったり体重が増えて身体を支えられなくなったり。
その結果、クッションの役目をしていた軟骨が加齢と直接荷重によるダメージを受け症状が進んでしまいます。
痛みが強いのであれば痛み止めを適宜併用しつつ痛みを誘発しない運動療法と鍼灸治療です。平地を痛みなく歩けるのなら治療の前に散歩など自助努力がメインとなるでしょう。
大切なのは日常で痛みを出さないように動くこと、身体を使うこと、関節筋肉に適度な(つまり痛みを出さない程度の)刺激を与えることだと思います。
サプリメントでも網膜に関するルテインの効果など科学的なエビデンスのあるものはこの限りではありません。
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